EDテーマの「神様のいたずら」をバックに、大好きだった父親を亡くして以来5年ぶりに訪れる街、一抹の不安を抱えたまま降りた駅で、足元の「おかえりなさい」の文字と、久しぶりに会う幼馴染のかおるが昔と同じように暖かく迎えてくれたシーン・・・
・・・もう何度見ても涙が止まりません。
泣くのがわかっててそれでも結局最初から繰り返し見てしまうなんて、なんか佐藤順一監督にしてやられたみたいで悔しい気分ですw
ちくしょ〜、サトジュンめっ!(爆)
いい歳してアニメで泣くなって言われそうですが、私も中学進学時と大学進学時に転居を経験してるので、動機や状況は少し違うけど、それでも昔の友達に再会するまでの楓の不安が少しわかる気がするのです。
私なんて小学校卒業して中学に上がる際に長崎市内から郡部の田舎町(父の実家のそば)に一家で移ったのですが、暖かく迎えるどころか些細な悪戯の洗礼に遭って、あげく中学では酷いイジメに遭いましたからね・・・。
だから少し過剰に反応してしまったのでしょうけど、そうした私の個人的事情を抜きにしても、回想シーンに入ってからかおると再会するまで、父親の死の悲しみに区切りをつけられそうな頃合いに1つの小さな偶然が重なって、背中を後押ししてくれる家族や友達がいて、一歩の勇気を出してみたら好きな道で先達となってくれるプロのカメラマンと知りあえて・・・等々、楓の心理描写が丁寧で本当に上手くシナリオを組み立ててきたなと感心しています。
微笑ましくなる部分と甘酸っぱい部分がいい塩梅で絡み合っていて、とても心温まる雰囲気のストーリーになっていたのではないでしょうか。
観光絡みのタイアップがあるからなのか、背景もかなり丁寧に描かれていたと思います。
作画レベルが維持できれば今後も楽しみですね。
BGMも絵やストーリーに相応しく好い雰囲気を醸し出していましたし。
それとEDを書いたのが大江千里さんなんですね。
私が中学生の頃に彼がデビューして、まだ間もない時期に長崎のライブハウスに来たのでコンサートに行った記憶があります。懐かしいなぁ・・・OPも作曲はユーミン(中学の時はわりとよく聴いていた)ですし、いちいち私の過去をほじくりかえして涙腺を刺激するなんて、もうまったくサトジュンのコンチクショーって感じです(爆)。
アニメワンでは第1話だけでなく昨年リリースされたOVAも数日間無料で配信してるので、TV第1話→OVAと逆の順序になってしまいましたが全部見させてもらいました。
時系列的にはTV第1話A・Bパート→OVA→TV第1話アバン、となってるんですね。
順序が逆になりましたけど全然気になることなく楽しめました。
全体にまったりとした微笑ましい雰囲気の中で、幼馴染のかおるに新しく友達となったのりえや麻音とのエピソード、憧れの写真家である志保美りほとのふれあいなどがあり、ホロっとくるシーンがいくつもあって、4話でまだ幼かった香が生前の父親におんぶしてもらっていた想い出が楓の記憶に鮮やかに蘇ってくるくだりは感動的でしたね。
しかも各話とも必ずズッコケシーンで終わる構成になっているので、湿っぽい感情のままではなくカラッと明るい感じで見終えることができて、心には温められた気持ちだけが心地よく残っていくという巧い作りになっていると思いました。
OPがユーミンの『やさしさに包まれたなら』のカバーっていうのがアニメの雰囲気にピッタリでまた憎たらしいですよね(笑)。
もっとも荒井由実時代をリアルタイムで知ってる人は私よりまだ上の年代なんですけどw
・・・って佐藤監督はちょうどそのあたりか。
ともかく、OVAの無料公開は10月9日24時までらしいので、まだの方はぜひ見ていただきたいと思います。
さて、次回以降はどういった展開になるのでしょうか。
OVA前提なのかそうでないのかで変わってきそうですよね。
もしかして無料配信は予習のつもりで、ってことでもあるのかしら?
でも第1話とOVAを見るかぎり心温まる優しい雰囲気なのはそのままだと思うので先が楽しみです。
出てくるキャラも皆いい人達ばかり(少々賑やかなのも混じってますがw)なのもいいですよね。
TV局自体が(報道での小沢バッシングや大震災・原発事故の扱いにバラエティー番組のヤラセ等々)人間の暗黒面ばかりを掻き集めたようなドス黒い人格の社員で成り立ってる集団の世界なので、そんな体質のTV局で人の優しさや良心の一端を見ることができる『たまゆら』[http://tamayura.info/]を放送するというのは大きな矛盾でしょうが(嫌味・・・というか総体でそういう体質だからキー局が採り上げないのか)、それでもホッとするものがあるだけいいのかしら?