開演前の愚痴(苦笑)
・その1
コンサートパンフをめくったら
※四方恭子
(客演コンサートマスター)
の文字が・・・え?四方さんがコンミスで入ってくれるの!?大野さんが指揮者で四方さんがコンミスって、なんで今年の第九は無駄に贅沢してるんですか?www これで京響と合唱曲やるんだったら絶対にマーラーの《復活》とかがいいって。
第九じゃなくて『復活』聴きたかったです!
(いやマジで)
・その2
開演前にロビーで事務局の方々が来年度のスケジュールパンフを配ってらっしゃって、さっそくいただいてページをめくったら、まずヨーロッパ公演のことが書いてました。それによると日程とプログラムは・・・
2015年6月1日(月)@オストラヴァ(チェコ)、オストラヴァ市文化センターコンサートホール
・武満徹:三つの映画音楽
・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番〔Vn:ワディム・レーピン〕
・プロコフィエフ:交響曲第5番
2015年6月3日(水)@プルゼニ(チェコ)、プルゼニ市公会堂
・武満徹:三つの映画音楽
・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番〔Vn:ワディム・レーピン〕
・R.シュトラウス:交響詩『ティル÷オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
・R.シュトラウス:組曲『ばらの騎士』
2015年6月5日(金)@ケルン、フィルハーモニー
・武満徹:ノヴェンバー・ステップス〔尺八:柿堺香、琵琶:中村鶴城〕
・細川俊夫:嘆き〔Ms:藤村実穂子〕
・プロコフィエフ:交響曲第5番
2015年6月7日(日)@アムステルダム、コンセルトヘボウ
・武満徹:三つの映画音楽
・細川俊夫:嘆き〔Ms:藤村実穂子〕
・R.シュトラウス:交響詩『ティル÷オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
・R.シュトラウス:組曲『ばらの騎士』
2015年6月9日(火)@フィレンツェ、オペラ・ディ・フィレンツェ
・武満徹:ノヴェンバー・ステップス〔尺八:柿堺香、琵琶:中村鶴城〕
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番〔Pf:アンドレア・ルケシーニ〕
・R.シュトラウス:交響詩『ティル÷オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
・R.シュトラウス:組曲『ばらの騎士』
・・・なんですが・・・武満徹とか細川俊夫とか京都ではやってくれないくせに、広上さんズルいです(苦笑)。
京響定期でも武満作品とか細川作品とかやってやって!
京都市交響楽団 特別演奏会「第九コンサート」
2014年12月27日(土)14時30分開演@京都コンサートホール
◆S.バーバー 弦楽のためのアダージョ Op.11
◆L.v.ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調 Op.125
指揮:大野和士
ソプラノ:リー・シューイン
メゾソプラノ:池田香織
テノール:西村悟
バリトン:須藤慎吾
合唱:京響コーラス(合唱指揮:小玉晃)
コンサートマスター:四方恭子
ソプラノの人が急病らしくて急遽変更になりましたが、聴いた感じでは特に無問題でした。
コンミスに四方さんが入って(隣が泉原さん、渡邊さんはオフ)、今回はチェロに上村さんも出てきていて、要にベテランがいたおかげか、バーバーのアダージョは濃密で濁りのないサウンドが何とも言えない味わい深さが出ていてよかったです。
休憩無しで始まったベートーヴェンの9番はテンポもオーソドックスで横の流れというかフレージングがとても自然な印象でした。後半楽章で所々見られたオオノ流スパイスも全然あざとさがなくてナチュラルな感じ、独唱と合唱が入る終楽章も歌パートのバランスや呼吸の扱いの巧みさはさすがオペラ指揮者の本領発揮といったところでした。2管編成だったオケ、そして京響コーラスも全力全開の好演でした。4人のソリストも特に目立った穴は無し。
うん、だからですね、第九じゃなくてマーラーの『復活』が聴きたかったんですよ、大野和士&京響(コーラス付き)コンビで。そうそう、今月上旬の都響定期でフランツ・シュミットの4番シンフォニーを採り上げていたので、彼の『7つの封印の書』も良さげかな?ともあれ、京響の大きな売りの1つが西日本随一の管セクションなんだから、2管編成の曲やって他を遊ばせるなんて勿体なさすぎるし、今回聴いてやっぱりと思ったけど大野さんの適性って明らかに「マーラー>ベートーヴェン」だから(その昔フルトヴェングラーがトスカニーニのベートーヴェンを聴いて良くも悪くもオペラ指揮者のそれだと批評してたっていうエピソード・・・2人がナチスの件で喧嘩別れする前の話・・・が岩波新書の丸山眞男『フルトヴェングラー』で言及されてて帰り道にふと思い出したものでした)、今日の演奏を聴いて、これが第九じゃなくて『復活』だったら、さぞかし掛け値無しの感動的な名演になったんだろうなぁ~とつくづく残念な気持ちになりました。変に徒にコネくりまわさずとも随所に工夫を施してしっかり聴かせるあたりはさすがでしたけど。
・・・いやまぁ、退屈だった去年に比べればずっと良かったですよ。でもでも、私はただでさえ餅代稼ぎで年末に第九をやる日本独特の風習にエエ加減もう辟易してて(12月定期が廃止になった代替に第九演奏会が振り分けられてるからチケットもったいなくて来てるようなもんだし)、大野さんはお気に入りの指揮者の1人だけど、来年から都響とバルセロナ響の音楽監督に就任するから、次にいつ京響に客演に来てくれるのか懸念せざるを得ないし、ツイッターのTL上では絶賛の嵐でしたけど、大野&京響の第九にプライオリティを見出せなかった私としては複雑な気分でした。ヘソ曲がりと言われればそれまでですが、年末の第九に(誰がどういったベートーヴェンを聴かせるかのベンチマークに利用する以外)何の有難味も持てない私としては鈴木秀美さんのようなピリオド系の指揮者とのコラボでないと新鮮なwktkが得られないのかもですね。この曲をロマン派の先駆けというかその延長線上のような捉え方をするオーソドシカルな解釈のなら、フルトヴェングラーのバイロイト1951年のとブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのゼンパーオーパー再建記念のと2つの歴史的ライヴ録音で充分ですし。