親の七光りでどうこう判断されたくはないからなのか、若い時のカルロス・クライバー同様に芸名を名乗っているジョセフ・ウォルフさんですけど、プレトークでイギリス英語とコックニーの発音の違いを披露してみたり、(彼が幼い頃に父のサー・コリンから子供用の小さなヴァイオリン・・・日本製と言ってた気もしたけど私の記憶があやふやですみません・・・を買ってもらったことがあったとかで)今回の来日で自分の子供のためにミニチュア?のチェロを買おうと探してみたけど高くて手が出せなかったと仰ったり、気さくで庶民派的な人だなと思ったのが第一印象でした。
・・・というか、超円高でマジゴメンナサイ(苦笑)
京都市交響楽団 第557回定期演奏会
2012年5月18日(金)19時開演@京都コンサートホール
◆E.エルガー 序曲『コケイン(首都ロンドンにて)』 Op.40
◆M.ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26
(ヴァイオリン・ソロ・アンコール)
◇作曲者不詳 ノルウェーのお伽話から Veslefrikk(ヴェスレフリック)
(休憩)
◆F.メンデルスゾーン 交響曲第3番イ短調『スコットランド』 Op.56
指揮:ジョセフ・ウォルフ
ヴァイオリン:ヴィルデ・フラング
コンサートマスター:渡邊穣
わざわざプレトークでコックニーの発音を披露したのも1曲目が「コケイン」だったからなんですが、終わってから振り返ると、もう少し時間があればもっと細かいところまで詰めた演奏ができたんじゃないか、という気がしました。
定期でしばらく英国モノをやってないからなのか音色とかちょっと・・・という感じ。
それでも楽しく聴かせてもらった好演ではありましたけど。
2曲目、ソリストはヴィルデ・フラング[http://s349821628.online.de/]さん、20代半ばのノルウェー美人。
北欧の人って女性でも背が高いんでしょうかね?
指揮者より上背ありましたし。
演奏の方はというと音色も表現もややドライというかストレート一本で攻めてるように感じました。
アンコールが技術やら持ち味やらバッチリはまってるように思えただけに、ロマン派よりは現代モノで聴いてみたかったです。
メインはメンデルスゾーンのスコティッシュ。
ちゃんと時間測っておけばよかったかな〜と後で思いましたが(でも第1楽章でリピートやってたし単純比較できないか?)、アレグロをより速くといった感じで全体的にやや早めのテンポ。
それでいて響きが濁らずにすっきりと美しい音色で、幻想的であったり抒情的であったり細部のディテールの表現もバランス取りもやることしっかりやってる感じで、終楽章がさらにアクセル踏んだみたいな快速具合がまたなんとも(笑)。
それでもキッチリ音楽を表現できていて速さが気にならなかったのだからナカナカのものという印象でした。
後半でこれを聴いたから前半の「コケイン」も詰める時間がもう少し取れれば・・・と思った次第。
指揮姿は観客席から見ていてもやりたいことが伝わってくるような気がするほど、終始細かく表情豊かに動いていて熱血といった印象でした(3曲とも譜面台に総譜を置いていたのですが途中でページをまとめて捲ることもしばしば)。
サー・コリンの演奏は私は録音でしか知らないのですが、彼もライヴ録音では時々熱いところを見せてますよね?
そうしたところはやっぱり親子なんでしょうか?
今回の客演が初顔合わせでしたけど、回数を重ねれば色々な引き出しを見せてくれそうにも感じました。
ところで、指揮者もソリストも来京されたのはいつなんでしょうかね。
一昨日の葵祭の路頭の儀、見る機会はあったのでしょうか?
雨で順延なんてそうそうないことですし(15年ぶりでしたっけ?私が京都に住むようになってからは初めて)、京響の練習場って賀茂川のすぐ近くにありますからねぇ・・・って私が気にすることでもないですけど。