まずはじめに・・・
北村さん、長い間お疲れ様でした! m(_ _)m
ヴィオラ奏者の北村英樹さんが今月末で定年だそうで(出演される演奏会自体も今定期がラスト)、プログラム終了後に卒団式がありました。
ヴィオラ首席の小峰さんから大きな花束を贈呈され、それから広上さんと軽いトークがあったのですが、質問にボケた返答を返したりで朗らかな雰囲気でした。
写真を撮るのがご趣味だそうで、それも含めて今後どうされるのか広上さんに尋ねられて音楽と写真と半々?と仰ってましたが、いずれどこかのギャラリーでお目にかかれるといいですね。
閑話休題。
昨年7月の559回定期の時に、その定期で演奏されたリヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』組曲と今回のハチャトゥリアンの組曲『仮面舞踏会』でCDを出すというアナウンスがありましたが、今回のパンフには今年9月の発行予定とありました。
収録曲は『ばらの騎士』組曲と組曲『仮面舞踏会』の予定とありましたが、この2曲を合わせても40分ちょっとなんですよね。
というわけでカップリングが気になるところですが、『仮面舞踏会』では使わないピアノが既に後半向けに舞台左後方にセットされてマイクも置いてあったので、しっかり録音はするのでしょうね。
CDフォーマットのギリギリまで使うとして最大値で残り40分弱。7月の定期から採るか今回メインのプロコフィエフの7番を採るのか、興味津々といったところですね。
さて、恒例のプレトーク。広上さんは2人のレディを引き連れての登場(彼曰く「ネタ切れしてきたので」・・・ってをいwww)。
ヴァイオリン奏者の立石康子さんと田村安祐美さんに広上さんからヴァイオリンについて質問形式で語ってもらうという進め方でした。
ヴァイオリンセクションの並びに関してオケによって席順が厳格に決められているところ(場合によっては給料に反映されるとか?どこのオケよ?w)と、ウィーン・フィルみたいにコンマスや首席以外はフリーダムというケースといろいろあるそうですが、京響に関してはウィーン・フィル同様に席順を固定しないスタイルだそうです。
田村さん曰く後ろの席だとコンマスから離れてるので合わせるのにかなり気を使うとか。
それと、もし自分がソリストとして弾くなら・・・と聞かれて2人ともモーツァルトは避けたいと意見が一致してたのが面白かったです(笑)。
シンプルだからこそ難しいとのこと、ナルホドですね(立石さんでしたかバルトークとかの方がまだやりやすいと呟いていたような・・・?)。
あとは広上さんからハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』は「ワルツ」をフィギュアスケートの浅田さんが使ってるから云々といった簡単な曲解説でお開き。
京都市交響楽団 第566回定期演奏会
2013年3月24日(日)14時30分開演@京都コンサートホール
◆A.I.ハチャトゥリアン 組曲『仮面舞踏会』
◆E.W.コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
(アンコール)
◇J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調〜サラバンド
◇N.パガニーニ 24の奇想曲 Op.1〜第17番
(休憩)
◆S.プロコフィエフ 交響曲第7番嬰ハ短調 Op.131〔※強奏で終わる追加有り〕
(アンコール)
◇S.プロコフィエフ 交響曲第7番嬰ハ短調 Op.131〜終楽章終結部付録部分
指揮:広上淳一
ヴァイオリン:クララ=ジュミ・カン
コンサートマスター:渡邊 穣
1曲目の『仮面舞踏会』はCD収録が明記されてることもあってか、のっけから全力全開モード。リズムのノリもよく、歌わせるところでも弦が厚みのある響きでしっかり鳴らしててグッド。管セクションは首席がどこも未登場でしたけど、代わりに1番吹いてた方々ももちろん好演奏を披露してました。強いて言えば、今日のコンマスは泉原さんで聴きたかったかな、と個人的には思ったり・・・。
2曲目、コルンゴルトのコンチェルト。プレトークでも紹介されてましたが、ソリストの人(バス歌手のフィリップ・カンの娘さんだそうな)は広上さんより頭ひとつ分以上抜けてて確かに背の高い女性(笑)。でも演奏の方はというと・・・大拍手でアンコール2曲も呼び出すほどだったのか、正直疑問が残りました。私の席からはソリストの背中しか見えなくてヴァイオリンは聴きにくいし、コルンゴルトでネチネチとクドくやられても困るからこんなもんかなぁ〜思いつつも、合わせモノ(協奏曲の伴奏)が得意なはずの広上&京響コンビとテンションから何からどうにもズレがあるような・・・という微妙な違和感が消えないままコンチェルトが終わり、何度かのカーテンコールの後にアンコールを弾いてたのですが、バッハの無伴奏での平板さ具合にコンチェルトでの違和感が間違いではなかったという印象を持ちました。さすがにコレをCD収録したら怒るぞ(まさかとは思うが・苦笑)。
後半メイン、プロコフィエフの7番シンフォニー。マイク配置から見るに収録する気満々のようですね(笑)。管セクションは首席揃い踏み、弦セクションも前半のテンションを後半でもしっかり維持してて充実した好演奏でした。腕時計で大雑把に測って31〜32分ほどだったからスペース充分入りますよ(何が?www)。爆演で捻じ伏せられるタイプの曲ではないので一聴してのインパクトには欠けるでしょうけど、メランコリーで叙情的な部分とウィットに富んで溌剌としたリズミカルな部分と、入れ替わり立ち替わり出てくるのが決してカオスにならず、広上さんのタクトに合わせて明晰かつ細い表情付けがなされていて、ラストは強奏で終わるヴァージョンでユーモラスな感じで締めくくられたのは、いかにもこのコンビらしくて後味の良い爽快な印象を持ちました。
この後はカーテンコールの後に改めて北村さんの卒団式があり、そして・・・本当ならここでもうハイお終いでアンコール何も用意してないんですが今までで最も短いアンコールやりますね・・・と言って演奏したのが7番シンフォニー終楽章の付録の部分。なんともユーモラスなオチでした(笑)。今日の定期は最初から最後まで本当に今の広上さんと京響らしいというか全身全霊で練度の高い充実した音楽を観客に提供して、音楽をいろんな方向で心から楽しませてくれる、そういった今の素晴らしい現状を象徴しているように思いました。
さて、今年9月を予定しているというCDリリース、『ばらの騎士』と『仮面舞踏会』の他に何をカップリングしてくれるのか、今から楽しみですね。多少客席ノイズが発生してましたけど今日のプロコフィエフの7番が入るといいなぁ〜、でも7月の時の『リンツ』や『ティル』も捨てがたい気もするし・・・。