スペイン・カタルーニャの映画『泥棒の娘 ~サラの選択~』も残念ながら日本版DVDはありませぬ・・・
代わりと言ってはなんですが
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マリオ・バルガス=リョサ『楽園への道』
オンラインで見た。主人公サラを通じて家父長制資本主義社会の女性の二重搾取が描かれる。資本主義で安い労働力として労働市場に組み込まれた女性が、家父長制によって資本主義を支える根幹の労働力の再生産=出産と育児を課せられることで、さらに搾取されるという構図。 https://t.co/f0FsXNnQpE
— ramonbook (@ramonbookprj) September 20, 2020
カタルーニャのアナキスト、テレザ・クララムンは労働者階級の女性を「奴隷(男性労働者)の奴隷」と呼んだ。女性が受ける二重の搾取への抗議が反資本主義フェミニズムの原点で、自ずと搾取の構造に巻き込まれるから、出産は女性の主権問題とアナルコフェミニズムは主張する。https://t.co/kp6jjNN2O0
— ramonbook (@ramonbookprj) September 20, 2020
当時、左派から家事労働の「賃金化」は資本主義への擦り寄りと大きな反発があったとフェデリチは語ってる。そこにあるのは「家族の世話は家族への愛情から無償で行うべき、賃金を要求するなどけしからん」という家父長的な考え方で、無償は有償より尊いとすることがブルジョワ的価値観なんだけれど。 https://t.co/dpS7rKltYN
— ramonbook (@ramonbookprj) September 21, 2020
ゴールドマンが愛の証として無償で行うセックスは尊く、対価をもらう有償のセックスは汚らわしいというブルジョワの価値観を批判したのも、その奥に賃労働を蔑む視線があったから。エマは資本主義社会では弱者ほどお金が必要となると知っていたから、搾取を正当化する無償労働の賛美を許さなかった。 https://t.co/MxQO7yOmAs
— ramonbook (@ramonbookprj) September 21, 2020
ゴールドマンが暮らした20世紀初頭のNYで、売春を行うのは移民の賃金労働者が多かった。移民かつ女性という賃金体型の最下層に置かれた女性は、長時間労働でも生活を支えるのに十分な賃金を稼ぐことができず、売春で生活費を補填していたから。自身が移民女性だったエマはこの状況を良く知っていた。
— ramonbook (@ramonbookprj) September 21, 2020
家父長制の社会で育ったサラの最大の弱点は自尊心がないこと。さらに、その原因を作った家父長制の社会がその弱みに徹底的に付け込んで、彼女はどんどん追い詰められていく。家父長制は女性の自尊心を奪い、男尊女卑の価値観を植え付けることで、その内面から奴隷化していく。植民地支配の手法と同じ。 https://t.co/Aj7ehtuD4Q
— ramonbook (@ramonbookprj) September 21, 2020
スペイン語圏で女性解放運動は植民地解放運動と深い関わりがある。ペルーで植民地解放運動を目の当たりにした後にフランスに戻り活動を始めたフローラ・トリスタン(父親がペルー人)が第一人者とされるから。彼女は『労働者連合(1843年)』でマルクスより先に世界の労働者の連帯と団結を呼びかけた。
— ramonbook (@ramonbookprj) September 21, 2020
フローラ・トリスタンは流刑地のニューカレドニアで現地民と連帯し、フランスからの独立運動の起点に関わるという桁外れの人物だった。ゴーギャンの祖母でもあり、マリオ・バルガス=リョサが『楽園への道』でその生涯を小説にしたので、スペイン語圏での知名度はとても高い。https://t.co/B8PP7xuEAm
— ramonbook (@ramonbookprj) September 21, 2020