今日と明日、京都では“六地蔵めぐり”いうのがあります。ポータルサイトの「e京都ねっと」には六地蔵めぐりについて
と説明が書かれてますし、もう少し詳しく知りたければ下記のように画像付きで詳細に書かれているサイトなどを検索してみることができるかと思います。
・・・もっとも、市内6ヶ所といっても、今の京都市は広いですからねぇ・・・
なにせ昔の街道口に設定されたものですから、現代の感覚でもそれぞれが遠いこと遠いこと(苦笑)。
どこも狭い車道に面した場所にあるだけではなく常盤の源光寺のように駐車場がないお寺もありますので、マイカーで回ろうだなんて近所迷惑もいいところ(逆に仏罰が下っても知らないよってくらいでw)ですが、かといって他にどうやって行くかというとバス・地下鉄の一日乗車券をフルに使っ行くしかないかなぁいうところです(それでも意外に時間がかかります)。
私も自転車で最大5ヶ所までは回ったことがあるのですが、山科なんて・・・ぜってームリ!(爆)なので2日間で6ヶ所全部回るなんて京都に来てからでも1・2度あったかなぁ~という程度です。
わりと近くに1ヶ所あるだけでもまだいいのかもしれませんが。
今年はというと今日の午後しか空いてなかったのと、雨さえ降らなければ六斎念仏は見ておきたかったというのがあって、夕方に寺町界隈で買い物をすませてから、小山郷六斎念仏を観るために鞍馬口の上善寺に行ってきました。
途中、烏丸今出川の目立つ所に立看板の案内があって、その時は文面をよく見ないで何事か思いましたが、相国寺の傍を通った所でわかりました。大蔵流狂言方の茂山忠三郎さん[http://www.chuzaburo.com/]のお通夜だったんですね・・・。
新聞・TV見ない上にネットのニュースで訃報記事を細かくチェックするわけでもなく、恥ずかしいことにこの時まで忠三郎師がお亡くなりになられたことを存じ上げていませんでした。
同じ京都の雰囲気を纏っていても千五郎家の御二方とはまた違った芸風で、堅実で味わい深い演技にはただ楽しませてもらっただけではなくて観る側の目をも養わせていただいたと思っていますので、とても残念でなりません。
息子さんだってまだ20代でこれからいうところなのに・・・。
この場ではありますが、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
さて、話を戻すとして、傘を持って行ってはいたものの幸いにして雨に降られることなく、着いたのは開始10分ほど前。
境内に即席で作られた舞台は準備も整っていて、長椅子も人で結構埋まってました。
たまたま耳に入ってきた他の観客の話でわかったのですが、同じ小山郷六斎念仏による18日の上御霊神社と一昨日の干菜寺の奉納は屋内でやってたそうで・・・行っときゃよかったかな?(苦笑)
六斎念仏に関しては千本六斎会さんで詳しく紹介されてますので、下記サイトをご覧ください。
→千本六斎会 http://rokusai.jpn.org/
まずはご挨拶から(写りが悪いのは私が下手だからです・苦笑)
こういった即席の舞台を拵えるところからして、先週の西方寺での六斎念仏とまるっきり異なりますが、あちらは“念仏六斎”、小山郷のは音楽と劇がメインの“芸能六斎”。
保存会の方も解説で仰ってましたが、この時期は比較的農業(米作り)が暇だからか地域毎に祭りで競うようにして、当時流行った歌舞伎や浄瑠璃などから一部を真似て採り入れていった、という経緯があるそうです。
当日は歴史的背景と簡単な演目の解説の書かれた1枚もののパンフレットが配布されて私もいただいたのですが、2曲続けて演じられるものもありましたし、順番も一部入れ替わったりしてました(私が撮り損ねたり記憶の曖昧なところもあって全部は紹介できません・汗)が、以下時系列で画像を掲載します。
・打出し~鳥追いの曲
・三社・しのぶうりの曲
・四ツ太鼓
入会したら最初に覚えてもらうのがこの「四ツ太鼓」だそうですが、例年でしたらここで桧舞台に立つはずの子どもたちが、今日は1人も出演してませんでした。何か事情があったのでしょうか?ちなみに、この四ツ太鼓、一見シンプルですが慣れた人になると徐々にスピードを上げて限界近くまでいくので、笛方との丁々発止がなかなかにスリリングだったりします。
・万歳(こう書いて‘まんざい’と読みますが掛け合いという点で現代の‘漫才’とほぼ同意)
・てまりうた
・40数年ぶりの再演という「猿廻し」・・・準備にも数年かけたそうです
1人の猿廻しと2匹のお猿さんによるコメディめいた掛け合い(言うこと聞かないで違うことやったり目の前の観客にちょっかい出したり)なのですが、なんでも近松門左衛門の『曽根崎心中』に題材を採ったものだそうです。私は不勉強にも人形浄瑠璃を知らないので、どのシーンなのかはわかりませんが・・・。それと今年限定の演出なのでしょう、お猿さんにある方向を向いて手を合わせて拝ませるというシーンで、猿廻しの方が「東日本大震災の~」と言って聞かせていました。もちろん元の文言は違うものなのでしょうけど、猿に拝ませるシーンがあること自体に原型が宗教行為から来ている芸能らしいなと思いました。
・祇園囃子
実はこの後に、それぞれ女性と坊主に扮した2人が舞台に出てきて面白可笑しく動き回るシーンがあるのですが、ちょうどこの時に雨粒が落ちはじめて、自転車に置きっ放しの傘を取りに行ってる間に、その面白いシーンが終わってしまったんですよね(涙)。まぁ大して降らないまますぐに止んでくれたのでよかったですが。
(・・・というか、今年に入った頃からどういうわけか、雨が降りそうな時に私が傘を持って外に出ると、大抵降らないままで終わるんですよね。屋内にいる時にジャージャー降ったりとか・・・100均で買った只のビニール傘なのに凄いジンクスだと我ながら感心します・・・って別に私が原因なわけないでしょうけど・笑)
・本日ラストにしてメインイベントw 小山郷六斎念仏でも一番の縁起物という“獅子”です。
まずは太鼓から↓
いよいよ獅子の登場↓頭+前足と後足との2人1組なのですが、アクロバティックな動きの連続で運動神経の良さには毎度感心させられます。
獅子に頭をかじられると無病息災になる(オマケ?で頭が賢くなる)というので、途中でこうして“獅子に頭をかじってもらおうタイム”があります。主に大人に抱っこされた子どもがやってもらうのですが、まだ2・3歳くらいの小さい子だとたいがい怖がって泣くんですよね(笑)。
幼稚園児か小学生くらいだとさすがに知恵がつくので逆に面白がったりしてますが、舞台でいろんな準備してる間に獅子が隅で待機してる際、すぐ近くにいって一所懸命団扇で仰いであげてる子が何人もいて、見ていて微笑ましかったです。
そしてアクロバティックといえば、次はこんなことまで↓
凄いでしょう!もちろん着地まで大成功で、拍手喝采でした。
さて、一通り動き回って獅子が休んでいるところに土蜘蛛の登場です↓
そして寝てる獅子を起こしにかかります(襲う?ちょっかい出す?)↓
怒った獅子と土蜘蛛とで喧嘩↓
糸を吐いたりして奮戦するも土蜘蛛の方が負けるというのは能や壬生狂言の結末と似たりよったりです(土蜘蛛を負かすのが源頼光か獅子かで違うくらい?)。
勝ってメデタシメデタシ↓
ちなみに、土蜘蛛が吐いた糸は縁起物か何からしくて放っておくとお年寄りが殺到するので、
「まだ危ないです、終わってからで間に合いますから」
と必ずといっていいほど注意のアナウンスが入ります(苦笑)。
これで六斎念仏の奉納は無事終わりました。心配された雨も降らずに終わって本当によかったです。
私は到着が時間ギリギリでお参りは先にサクッとすませただけなので、もう1度改めて地蔵堂に↓
六地蔵めぐりの初日にあたる22日に限っては、どこも夜間のお参りのために夜通しで門を開けてあります。帰りに常盤の源光寺にも寄ってきました。
“お幡(おはた)”↓束ねて護符として家の入り口に吊るしておくお札
↑写真左の源光寺のだけが長方形、あとの5ヶ所のお寺のは右の上善寺のと同じ形(私が他の荷物と一緒に入れた際の不注意で端が少し折れてしまってますが)で色違いなだけです。1枚300円。残りは紺・緑・黄・白なので六地蔵全部揃うとなかなかカラフルです。今年は2枚だけ(・・・というか信心深さとは全く正反対に位置する人間なんで全部揃えたのって1度くらいしかないような・・・)ですが、それでも来年までドアのそばに吊るしておきます。