毎年1月3日に執り行われる八坂神社[http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/]の『翁』の初能奉納は観世流と金剛流とで隔年ごとに催されますが、今年は観世流の番(千歳之舞をシテ方の演者で観たいという私の好み)なので、初詣には行かなくとも『翁』は観てきました。
今冬が暖冬というのは、こういう時には助かりますね。早朝の気温が2〜3℃高いだけでも随分と寒さが和らぎますし。
本日の演者は以下の通りでした。曽和さんは昨春に“鼓堂”と改名されたのですね。2年ぶりに拝見しましたけど貫禄が増したようで。
観世流『翁』
翁:片山九郎右衛門
三番三:山下守之
千歳:梅田嘉宏
面箱:島田洋海
笛:杉 市和
小鼓頭取:曽和鼓堂
〃 胴脇:成田達志
〃 手先:古田知英
大鼓:石井保彦
後見:味方 玄、橋本忠樹
狂言後見:茂山正邦、松本 薫
地謡:青木道喜、分林道治、田茂井廣道、深野貴彦、武田大志
まずは役者の登場から。〔※以下、画像をクリックすると拡大写真で見れます〕
てっきり茂山千五郎家の血縁の誰かが務めると思ってましたので、現ご当主のお弟子さんとはいえ山下守之さんの起用には驚きましたが、当の本人もはじめはガチガチに緊張されてたようで、表情もどことなく硬かったし大声出してるはずの掛け声が遠くに届いてない(いわゆる腹の底から出てないみたいな)感じ。気合が少し空回りしてるような。でも舞の方は動きにもキレがそこそこあって悪くなく、一昨年の誰かさん(苦笑)よりは良かったと思います。
揉之段を無難に終えられて一息つけたのか、祝言の呪歌と鈴之舞では硬さもとれてスムーズに。