J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲/鈴木秀美

今日は神戸松蔭女子学院大学のチャペルで行われた鈴木秀美[http://www.hidemisuzuki.com/]さんのリサイタルを聴きに行きました。曲はバッハの無伴奏チェロ組曲から1・4・6番でした。この松蔭女学院チャペルではバッハ・コレギウム・ジャパンが定期演奏会を行う場所でもありますね。
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲[全曲]/鈴木秀美(バロック・チェロ)
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以前にバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏会を聴いて古楽器に開眼して以来というもの、バッハの演奏はモダン楽器よりも落ち着いた木の暖かみをしっとりと味わうことのできる古楽器の方を好んでいるのですが(例外はヒラリー・ハーンのヴァイオリン)、この日の演奏も奥深い心の余裕を感じる懐の深さ(テンポが遅いというわけでは決してなく、バロック・チェロの演奏って頻繁にチューニングして楽器を両膝に挟んでエッチャラホッチャラと弓を動かして、パッと見大変そうに見えるにも拘らず、というニュアンスで)だけでなく、ライナー・ノーツで鈴木さん御自身が書かれているように
プレリュードの後に続くのはすべて舞曲
というこの組曲の構造をしっかりと認識させる、ある種の軽やかさを同時に感じさせてくれてとても素晴らしいものでした。特に6番はリズム感が心地よく楽しんで聴けました。
このCDは今春リリースされたHybrid SACD盤で、彼自身2度目の録音です。サインをもらって「とても素晴らしい演奏をありがとうございました」とお礼を述べたところ、「またお越しください」と握手で丁寧に返していただきました。SACDで聴ける方はぜひ聴いていただき、古楽器で演奏するバッハの醍醐味を味わっていただければと思います。