シューベルト:ミサ曲集/シュルト=イェンセン指揮、イモータル・バッハ・アンサンブル&ライプツィヒ室内管弦楽団

既にナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)の会員になってる人は、無料のアプリを入れたらiPhoneでも聴くことができるのですが、検索はさすがにPCと比べると若干不便さを感じることもあって、手っ取り早く探せる新譜のコーナーを専ら眺めてます。
12月に入るとクリスマスを意識して宗教音楽を聴いてみたくなるもので、何かないかと新譜を探してて目に止まった1枚がこれ。たまにはバロック以前の宗教音楽でなくて19世紀のもいいかとお試し気分だったのですが、意外にハマりました。

シューベルト ミサ曲第1番&第3番
 /イェンセン&ライプツィヒ室内管弦楽団他
【Naxos】
フランツ・ペーター・シューベルト
・ミサ曲第1番ヘ長調 D105
・ミサ曲第3番変ロ長調 D324,Op.141
ソプラノ:トリーネ・ウィルスベリ・ルンド
ソプラノ:ドロテア・クラクストン(第1番のみ)
アルト:ベッティナ・ランチ
テノール:リ・ミンウ
テノール:アンドレアス・カラシアク(第1番のみ)
バス:アシャフ・レヴィチン
合唱:イモータル・バッハ・アンサンブル
指揮:モルテン・シュルト=イェンセン
管弦楽:ライプツィヒ室内管弦楽団

http://ml.naxos.jp/album/8.572279

8572279

iPhoneの音質の良さが予想以上だったこともあるのですが、第1番のグローリアがとてもVividで衝撃的でした。聖母マリアの代わりにヴィヴィオとリオとコロナが飛び出してくるんじゃないかと思ったくらい(←そっちは違うViVidだ!w)。
1番はシューベルト弱冠17際の時の作品だからなのか、それとも彼がロマン派だからなのか、さらにはしとらすがバッハ以前のに馴染んでしまってるせいか、所々に妙な人間臭っぽい剥き出しの感情が垣間見えるミサ曲なのですが、オケと合唱のスリムですっきりした響きと、イェンセンのキビキビした音楽の進め方とが相まって、新鮮で心地よい爽快さが前面に出ていて耳にすんなりと入ってきます。3番も同じ傾向の音楽作りになっていて、2曲とも気持ちよく聴けました。
名前から察せられるようにデンマーク人のイェンセンと、バッハに縁の深いライプツィヒの合唱とオケ(イモータル・バッハ・アンサンブルはかつてのゲヴァントハウス室内合唱団が改名した団体らしく、ライプツィヒ室内管も母体はあのゲヴァントハウス管)という組み合わせでのシューベルトのミサ曲集はこの1番&3番が3作目になるようですが、これが思いのほか気に入ったので他のも聴いてみました。
6番は最晩年の作品iconだけあって、1&3番のような若々しい鮮烈さは影をひそめてグッと荘厳な雰囲気を醸し出していますが、合唱がそれを一層引き立てる表現をしていて良いですね。オケがスリムでピュアな響きなので大曲でも変に重くならず、後味良い感じで好印象です。
年明けには4作目となる5番とマニフィカトのセットがリリースされるみたいで、こちらもフライング?で聴くことができましたが(今は一旦NMLのカタログから外されているようです)、高いレベルを保った良い演奏でした。
声楽の分野では歌曲が圧倒的に有名なシューベルトですが、しとらすはクラシックのヴォーカルものはどうにも苦手で敬遠がちでしたけど、これらミサ曲にはとても良い印象が持てました。作品の質もさることながら、イェンセンの音楽作りとオケ&合唱のレベルの高さが作品の新たな魅力を引き出しているように思います。クリスマスにぜひいかがでしょうか?
・ミサ曲第6番、スターバト・マーテル
 →http://ml.naxos.jp/album/8.570381
・ミサ曲第2番、第4番、ドイツ・ミサ曲
 →http://ml.naxos.jp/album/8.570764
ミサ曲第5番、マニフィカト
 →http://ml.naxos.jp/album/8.572114
41ksylawafl_sl500_aa240_