さて、私が気になったというもう1枚の方は、一昨日ペンデレツキの宗教曲を採り上げた際に軽く触れたアルバムですが、あの時はスルーしたので改めてということで。
★ペンデレツキ:フォノグラミ、ホルン協奏曲、他/アントニ・ヴィト&ワルシャワ・フィル、他【Naxos】
クシシュトフ・ペンデレツキ
・フルートと室内オーケストラのための『フォノグラミ』
・ヤコブの目覚め
・アナクラシス
・デ・ナトゥーラ・ソノリス第1番
・パルティータ
・ホルン協奏曲『冬の旅』
指揮:アントニ・ヴィト
管弦楽:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
フルート:ウルズラ・ヤニク(フォノグラミ)
チェンバロ:エルジュビェタ・ステファンスカ(パルティータ)
エレキ・ギター:ミハル・ピンダキエヴィツ(パルティータ)
ベース・ギター:コンラッド・クビッキ(パルティータ)
ハープ:バルバラ・ヴィトコウスカ(パルティータ)
コントラバス:イェルジ・チェムブルジンスキ(パルティータ)
ホルン:ジェニファー・モントーン(ホルン協奏曲『冬の旅』)
録音時期:2008年8月28-29日、9月8・10日、2009年9月7日、2010年6月14-15日
録音場所:ワルシャワ、フィルハーモニック・ホール
→http://ml.naxos.jp/album/8.572482
一昨日もチラッと書いたのですが、2000年代に作曲されたホルン協奏曲以外は全て’60〜’70年代の作品で、器楽だけで演奏されるこれらの曲を聴くと随分と尖った印象を受けます。
管楽器やパーカッションの使い方とか特にそうでしょうか。トーン・クラスターを駆使してるとはいえ弦楽合奏のみで演奏される『広島の犠牲者に捧げる哀歌』に比べるとそういった部分が刺激的に思えるので、合わない人には合わないかもなぁ〜と(苦笑)。
最後の『冬の旅』というタイトルの付いたホルン協奏曲は近年の作品で、ペンデレツキが新ロマン主義への傾倒を見せた以降の作風ですし、なによりホルンの超絶技巧が堪能できるので馴染みやすいのと、特にホルンという楽器が好きな人にはたまらない曲かもしれません。
それにしても、これだけ作風が異なる作品を並べて、尚且つそれぞれの曲に見合った高水準の演奏に仕上げてきたのですから、ヴィトの指揮は流石と言うべきでしょう。作曲者に直接師事しただけはありますね。