ヴェネツィアの芸術1600/ウィリアム・ドンゴワ&ル・コンセール・ブリゼ

Accentという古楽メインなベルギーの老舗レーベルから最近リリースされたばかりの “VENETIAN ART 1600” と題されたこのディスク。
実は私はかつて1000年以上にわたって「アドリア海の女王」とまで称されたことのある共和国の存在したヴェネツィアに強いロマンと憧れを抱いてまして、それでつい手を出して聴いてみた次第です(笑)。

 

ヴェネツィアの芸術1600/ウィリアム・ドンゴワ&ル・コンセール・ブリゼ【Accent】

ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ
・シンフォニア第7番
・ガイラルダ
・コレンティエ
ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ
・3声のソナタ第14番
・2声のソナタ第9番
・ヴァイオリン・ソナタ第3番
ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ
・2声のソナタ第4番
ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ
・コルネット・ソナタ第1番
・ヴァイオリン・ソナタ第2番
・2声のソナタ第17番
・コルネット・ソナタ第4番
・ヴァイオリンとコルネットのためのソナタ第7番
ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ
・3声のソナタ第9番「Questo e quel luoco」
ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ
・2声のソナタ第12番
ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ
・3声のソナタ第1番
・ブランド第3番

指揮&コルネット:ウィリアム・ドンゴワ
アンサンブル:ル・コンセール・ブリゼ
録音時期:2011年7月14-19日
録音場所:ベルリン、シュパンダウ地区、聖ニコライ教会
http://ml.naxos.jp/album/ACC24253

 

ル・コンセール・ブリゼ[Le Concert brisé|http://www.concert-brise.eu/]は1990年代初めにフランス人コルネット&リコーダー奏者ウィリアム・ドンゴワによって設立された古楽器アンサンブルだそうで、この録音で初めて知りました。
というか、このディスクで採り上げられているジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテとジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ、イタリア初期バロック期(ヴェネツィア楽派?)に活躍したらしいこの2人の作曲家のことも知りませんでした。
何かのキッカケでこうした古の音楽に触れることができるのですから、ホンマに偶然というのは素晴らしいと言いますか、偶然は必然なのかもしれませんが・・・。

ル・コンセール・ブリゼの個々のメンバーの力量が高いこともあるのでしょうが、シンプルな中にも澄んだ響きでとても優雅な雰囲気の漂うものとなっています。
こうして良質の演奏で400年前の音楽に接することができるのも、発掘と再現に尽力した現代の多くの音楽家と研究者の努力の賜物でしょうし、彼らの業績に感謝しながら「アドリア海の女王」時代のヴェネツィアに想いを馳せつつ、ゆったりと音楽に浸っているところです。