ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のライヴ収録によるブルックナー交響曲全集、ベートーヴェン交響曲全集、他

2005年から2012年にかけてライヴ録音されてQuerstandというレーベルからバイブリッドSACDとしてリリースされていた、ブロムシュテット御大によるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とのブルックナー・ツィクルス。

過去の数多ある名盤と比較しても間違いなく1番、控えめに言っても5指には入るであろう名盤の中の名盤だったのですが、どういう事情があったのか、ここ数年は9曲すべて揃えるのが大変なほど入手困難になっていたようです。

ですが、つい最近になって、音源のライセンスがQuerstandから離れてライプツィヒを本拠とするAccentus Music[https://accentus.com/]に取得され、10枚BOX盤としてリリースされたようです。
Accentus Musicはナクソス・ミュージック・ライブラリ(以下NML)に登録されているレーベルの1つなので、NMLに毎月料金を支払ってるユーザーとしては大変に喜ばしい出来事なのですが、NML内で検索をかけてみると、なんと2014〜17年にベートーヴェン・ツィクルスをライヴ録音してリリースしていたことが判明しまして、二重の喜びに浸っております。なにせ御大のベートーヴェン全集は半世紀近くの昔にシュターツカペレ・ドレスデンとセッション録音したものが唯一でしたし。

他にも別レーベルからブラームスやらモーツァルト後期3大交響曲やらが見つかりましたので、まとめて紹介を。

ブルックナー全集についてですが、演奏水準の高さは言うに及ばず、2番交響曲で1872年初稿・キャラガン版、3番交響曲で1873年第1稿を用いるなど、21世紀に入ってからシモーネ・ヤングやマルクス・ボッシュら中堅指揮者によるツィクルスに見られる時代的なトレンドに乗っかって、近年の研究成果や第1稿を優先的に利用して演奏していることでしょうか。ブロムシュテットほどの巨匠かつ高齢な人には珍しい、とても進歩的な姿勢にも大いに好感が持てます。それに作曲者自ら指揮しながら手直ししていって最後に手を付けた稿が最も練られてて完成度が高いマーラーと違って、ブルックナーの場合は最初に出した第1稿が最もブルックナーらしくて素晴らしいという変な傾向がありますし。

Querstand盤を所持していた頃に聴いていた個人的な印象では3番交響曲が最もインパクトが大きかったですね。9曲全部がどれも一押ししたくなるほど素晴らしい演奏ばかりですが、3番の終楽章はとりわけエネルギッシュでエキサイティングです。

それから、Pentatoneレーベルにより2019年から始まったブラームス・ツィクルスは4曲すべてライブ収録する予定だったそうですが、1番と2番を2019年に録り終えて3番と4番に取りかかろうとした矢先にCOVID-19パンデミックが世界中を席巻しはじめ、演奏会再開の目処がなかなか立たなかったり、またいかに元気とはいえ御大も90歳を過ぎてる年齢的なネックも考慮しなければならず、3番・4番はリリースを優先してセッション録音に切り替えた経緯があるようです。こればかりは仕方ないですね。

 


 

 

ブルックナー:交響曲全集/ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(10CD)【Accentus Music】

アントン・ブルックナー
・交響曲第1番 ハ短調 WAB 101[1865/66年リンツ稿,1955年ノヴァーク版]
・交響曲第2番 ハ短調 WAB 102[1872年稿,キャラガン校訂版]
・交響曲第3番 ニ短調 WAB 103[1873年第1稿,1977年ノヴァーク版]
・交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』WAB 104[1878/80年,1953年ハース版]
・交響曲第5番 変ロ長調 WAB 105[1875/77年,ノヴァーク版]
・交響曲第6番 イ長調 WAB 106[1879/81年,ハース版]
・交響曲第7番 ホ長調 WAB 107[1881/83年,ハース版]
・交響曲第8番 ハ短調 WAB 108[1890年,ハース版]
・交響曲第9番 ニ短調 WAB 109(1887/96年,コールス校訂版2000年)

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

録音時期:2005年7月〜2012年3月(ライヴ収録)
録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス

https://ml.naxos.jp/album/ACC-80575

 


 

 

ベートーヴェン:交響曲全集/ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、他(5CD)【Accentus Music】

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
・交響曲第1番 ハ長調 Op.21
・交響曲第2番 ニ長調 Op.36
・交響曲第3番 変ホ長調 Op.55『英雄』
・交響曲第4番 変ロ長調 Op.60
・交響曲第5番 ハ短調 Op.67
・交響曲第6番 ヘ長調 Op.68『田園』
・交響曲第7番 イ長調 Op.92
・交響曲第8番 ヘ長調 Op.93
・交響曲第9番 ニ短調 Op.125『合唱』

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
合唱:MDR放送合唱団、ゲヴァントハウス合唱団、ゲヴァントハウス児童合唱団(第9番)
ソプラノ:シモーナ・シャトゥロヴァー(第9番)
アルト:藤村実穂子(第9番)
テノール:クリスティアン・エルスナー(第9番)
バリトン:クリスティアン・ゲルハーヘル(第9番)

録音時期:2014年5月〜2017年3月(ライヴ収録)
録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス

https://ml.naxos.jp/album/ACC-80322

 


 

 

ブラームス:交響曲全集/ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管【PentaTone】

ヨハネス・ブラームス
・交響曲第1番 ハ短調 Op.68
・悲劇的序曲 ニ短調 Op.81
・交響曲第2番 ニ長調 Op.68
・大学祝典序曲 Op.80
・交響曲第3番 ヘ長調 Op.90
・交響曲第4番 ホ短調 Op.98

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

録音時期:2019年9月〜10月ライヴ(第1・2番、悲劇的序曲、大学祝典序曲),2021年4月(第3・4番)
録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス

https://ml.naxos.jp/album/PTC5186850(交響曲第1番、悲劇的序曲)
https://ml.naxos.jp/album/PTC5186851(交響曲第2番、大学祝典序曲)
https://ml.naxos.jp/album/PTC5186852(交響曲第3番・第4番)

 


 

 

モーツァルト:交響曲第39・40・41番/ブロムシュテット&バイエルン放送響(2CD)【BR Klassik】

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
・交響曲第39番 変ホ長調 K.543
・交響曲第40番 ト短調 K.550
・交響曲第41番 ハ長調 K.551『ジュピター』

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:バイエルン放送交響楽団

録音時期:2013年1月31日-2月1日(40番)、2017年12月18-22日(41番)、2019年12月17-21日(39番)
 ※すべてライヴ収録
録音場所:ミュンヘン;フィルハーモニー・イム・ガスタイク(39番)、ヘラクレスザール(40・41番)

https://ml.naxos.jp/album/900196