今週末の京響定期はストラヴィンスキーにショスタコーヴィチにウォルトンと京響の良さをそれぞれに堪能できる楽しみなプログラムなのですが、ちょっとした予習がてらにとNMLでいろいろと検索かけていた時に偶然目に止まったディスクです。
これ、何の予備知識も無しにブラインドテストで聴いてみたら、どれも英国モノだとわかる人がはたしてどれくらいいるのか、ちょっと試してみたいくらいです(笑)。
★イギリスのギター協奏曲集/オグデン(ギター)、ヒコックス&ノーザン・シンフォニア【Chandos】
ウィリアム・ウォルトン
・5つのバガテル〔※編曲:パトリック・ラス〕
マルコム・アーノルド
・セレナード Op.50
レノックス・バークリー
・ギター協奏曲 Op.88
マルコム・アーノルド
・ギター協奏曲 Op.67
ギター:クレイグ・オグデン
指揮:リチャード・ヒコックス
管弦楽:ノーザン・シンフォニア
録音時期:2001年1月
録音場所:ニューカッスル、ジュビリーホール
→http://ml.naxos.jp/album/CHAN9963
クラシックのギター曲といえばスペインやブラジル、キューバなどイベリア半島とラテンアメリカの作曲家の独壇場で、あとは日本人あたりが割って入ってくるかといったイメージを持ってましたので、ラテンとは程遠いイギリスの作曲家から、微かな憂愁をおびつつも爽快で豊かな色彩を持つギターのコンチェルト作品が出てくるとは思いませんでした(ウォルトンの曲はアレンジものですけど)。
ジャケット絵が浜辺の風景写真になっていますけれども、まさにピッタリだと思います。所々でメロディラインやブラスセクションの使い方に英国っぽい雰囲気を垣間見ることもできますが、管弦楽とギターとの絡ませ方の手際良さがスペインやブラジルなどの作曲家に引けを取らない印象で、聴いていて爽やかな心地よい潮風が流れてくるようでした。
ソリスト・室内オケとも美しい響きでテクニックも申し分なく、ヒコックスの指揮もナチュラルな感じで、しかも細かいところまで手の行き届いた音楽作りになっていると思います。
週末の京響定期はメインがウォルトンのシンフォニーですので、NMLで彼のアルバムリストを眺めているうちに偶然見かけて試しに聴いてみた録音でしたけど、これまで私が知らずにいた良い音楽に出会え、新たな発見ができてよかったです。