本日付けでNMLに登録された、Nimbusレーベルによるペルルミュテールの6枚組BOXのショパン集。
元々はそれぞれ分配されてたのを後にセットとして再発されたものですが、こうしてNMLにも別途登録されたことですし、採り上げてみることにしました。
★フレデリック・ショパン:ピアノ作品集/ヴラド・ペルルミュテール (6CD)【Nimbus】
CD1
・夜想曲第3番 ロ長調 Op.9-3
・夜想曲第4番 ヘ長調 Op.15-1
・夜想曲第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
・夜想曲第6番 ト短調 Op.15-3
・夜想曲第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
・夜想曲第8番 変ニ長調 Op.27-2
・夜想曲第13番 ハ短調 Op.48-1
・夜想曲第14番 嬰ヘ短調 Op.48-2
・夜想曲第16番 変ホ長調 Op.55-2
・夜想曲第17番 ロ長調 Op.62-1
CD2
・ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op.35
・ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op.58
・舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
CD3
・24の前奏曲 Op.28
・前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
・幻想曲 ヘ短調 Op.49
・子守歌 変ニ長調 Op.57
CD4
・12の練習曲 Op.10
・12の練習曲 Op.25
・3つの新練習曲 『モシェレスのメトードのための』
CD5
・バラード第1番 ト短調 Op.23
・バラード第2番 ヘ長調 Op.38
・バラード第3番 変イ長調 Op.47
・バラード第4番 ヘ短調 Op.52
・ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op.44
・幻想ポロネーズ Op.61
CD6
・スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
・マズルカ第36番 イ短調 Op.59-1
・マズルカ第37番 変イ長調 Op.59-2
・マズルカ第38番 嬰ヘ短調 Op.59-3
・マズルカ第39番 ロ長調 Op.63-1
・マズルカ第40番 ヘ短調 Op.63-2
・マズルカ第41番 嬰ハ短調 Op.63-3
・マズルカ第15番 ハ長調 Op.24-2
・マズルカ第25番 ロ短調 Op.33-4
・マズルカ第27番 ホ短調 Op.41-1
・マズルカ第29番 変イ長調 Op.41-3
・マズルカ第34番 ハ長調 Op.56-2
・マズルカ第35番 ハ短調 Op.56-3
・マズルカ第49番 ヘ短調 Op.68-4
・マズルカ第13番 イ短調 Op.17-4
・マズルカ第21番 嬰ハ短調 Op.30-4
・マズルカ第32番 嬰ハ短調 Op.50-3
・タランテラ 変イ長調 Op. 43
ピアノ:ヴラド・ペルルミュテール
→http://ml.naxos.jp/album/NI1764
上記のうち2つのソナタとバルカロールの素晴らしい演奏に関しては以前にこのサイトでも書かせてもらいましたが、しとらす的にはペルルミュテールはラヴェル弾きという以上にショパン弾きだったのではないかと思います。彼の演奏で具現化される構築感に優れた様式美は2つのソナタと作品28の前奏曲集に、そして(コルトーら過去の巨匠が持っていた前時代的な)ロマンティシズムと幻想的な美しさとが絶妙なバランスでスコアに内在する深みを表現しているのがバルカロールや幻想ポロネーズに表れているのではないでしょうか。
サロン的な甘美さを適度に漂わせた夜想曲、ある種の女性的な旋律の中にも鋼のような凄みや力強さを随所にさり気なく感じさせてくれるバラードや5番ポロネーズ・・・などなど、ペルルミュテールの奏でるショパンには彼ならではの素晴らしさがあります。
変なクセやアクの強さが見られず安心してショパンの音楽に身を委ねながら聴けるのも利点ですね。
ショパン好きにはもちろん、これからショパンを聴いてみようという人にも、ぜひ聴いてもらいたい録音です。
特にペルルミュテールのバルカロール(作品60の舟歌)はこれ以上のものは存在し得ないだろうというベストな演奏だと思います。