ramonbook[@ramonbookprj]さんの過去ツイをサルベージ。
理由というか事情はこちら→https://kyotofan.info/politics_society/20120925-30/
Twiiter社の新API仕様変更
・・・平たく言うなら
イーロン・マスクの傍若無人な我儘
・・・つーかさぁ、ナニコレ
【Twilogについてお知らせ】
本日、TwilogのAPI利用が停止されました。このため、誠に残念ですが今後Twilogが新規ツイートを取得することが不可能となりました。既に記録済みのツイートについては、当面はこれまで通り閲覧可能な状態で残したいと考えております。
— ロプロス (@ropross) April 5, 2023
ふざけんなよ!イーロン・マスク (-_-💢)
2020年1月15日
【お知らせ】1/25(土)にお馴染み新宿のカフェ・ラバンデリアで「アナキズムとバルセロナ」をテーマにイベントを行います。私は教育によって人間を変革することで社会全体を変革するという壮大な計画に着手したカタルーニャのアナキストたち「リベルタリオス」について取り上げる予定。詳細は後ほど! pic.twitter.com/0yykh6Z1Oe
posted at 19:29:04スペインに誕生した「第二共和政以来初めての左派連立政権」を見て思うけど、今の所、ポデモスというプロジェクトはスペイン共産党を中心とした勢力「IU左派連合」の再編で終わっている。15M運動が市民の政治参加を拡大する「民主主義の急進化」が進まず、マドリードの路上は空っぽになってしまった。
posted at 19:47:5415M運動を政治的勢力に転換させることを目指すプロジェクトとして始まったポデモスは、当初「下からの民主主義」を掲げていたのだけど、次から次へと選挙に巻き込まれるうちに選挙に勝つことを最優先とする方向に進んでいった。結果が全てである選挙を戦うには中央集権的な政党の形が最も適している。
posted at 19:55:51ここ数年のポデモスの変遷を見てきて、現行の政治システムだと、競争原理を掲げる新自由主義と戦うためには、選挙という競争に勝って政権を獲ることが求められるというジレンマを目の当たりにした。再びホロウェイの「権力を取らずに世界を変える」という言葉を考える。 ramonbook.wordpress.com/2014/08/22/joh…
posted at 20:07:38スペインのアナキストが政治権力の奪取による社会変革を拒否したのは、選挙という形で競争に参加することを拒絶したから。競争に勝ち残るような人たちが中心になって行う社会変革では、連帯と相互扶助に基づく社会の構築は不可能だと考えていた。目的は手段を正当化しないというのがアナキストの原則。
posted at 20:16:1720世紀初頭に「権力を取らずに社会を変える」ことを目指したカタルーニャのアナキストたちは「連帯と相互扶助に基づく社会に住みたいと考える人間を増やしていけば、その結果として社会は変わる」というロジックから、教育と出版物によって人々の価値観を変えて文化的な覇権を握るという戦略を取った。
posted at 20:32:00カトリック教会が社会全体を支配していたスペインでは、アナキズムは「人間は神ではなく知識によって解放される」という一種の信仰として拡まったという側面がある。とにかくアナキストたちの読書と出版物にかける情熱はものすごくって、私が抱いてるアナキストのイメージといえば黙々と文字を読む人。
posted at 20:48:58アナキストの闘いの歴史を思うと、現在のバルセロナのシンボルがサグラダファミリア教会というのはあまりにもグロテスク。スペインの反カトリック教会運動の中心地のシンボルとして馬鹿でかい教会を打ち出すのはカタルーニャのブルジョワの戦略で、街から民衆運動の記憶を消すという明確な目的がある。
posted at 21:00:1220年ほど前に初めて見たサグラダファミリアは廃墟っぽかったからまだ良かったけど、完成を間近に控えた現在の姿はちょっと耐え難い。民衆がカトリック教会を憎んでいたからガウディの模型が燃やされたわけで、当時の人々の苦しみや怒りを現在に伝えるためにも未完成のままにしておく方が良かった。
posted at 21:16:22
2020年1月21日
遅くなりましたが、今週末1月25日土に迫ったこちらのイベントは19時オープン/19時半スタート!いつものように投げ銭制(但し要ドリンクオーダー)です。私は7時半から1時間ほど「文化/カルチャー」を軸にカタルーニャのアナキズム」について話します。フライヤーができたら改めて詳細告知しますね。 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 20:12:48
2020年1月23日
【お知らせ】明後日1/25土に新宿カフェ・ラバンデリアで「バルセロナを解放せよ!」を開催します。アナキズムとの繋がりを切り口にして、ネオリベが都市開発の成功モデルとして絶賛する「サグラダファミリアとバルサのバルセロナ」からバルセロナを解放する試みです。どうぞ気軽に遊びに来てください! pic.twitter.com/5ENCWQlXd4
posted at 19:31:28今になって、スペルミス見つけた!「libertar 解放する」ではなく「liberar 解放する」です。すいません。。。
posted at 19:32:50個人的にアナキズム革命からまだ100年も経っていないのに、バルセロナの象徴としてサグラダファミリア教会が何の違和感もなく受け入れられる現在の状況に全く納得がいかない。競争が嫌いなアナキストたちがリーグ戦に興味を持つわけもなく「バルサ」が特別な意味を持つようになったのも内戦後のこと。
posted at 19:40:20スペイン戦争前のバルサのソシオが6000人だった時代、バルセロナにあったアナキスト文化センターの会員は3万5000人もいた。あるアナキスト詩人は「今スタジアムを埋め尽くす熱狂がかつては路上にあった。スタジアムが路上を空っぽにしてしまった」と語っている。バルサがサーカスの役割をしてるわけ。
posted at 19:46:44バルセロナのイメージに興味を持ったのは、住民運動に詳しくなってきた2000年初頭。バルセロナの住民が状況の改善を求めて路上に出ている一方で、日本ではたいていの人がバルセロナに漠然と良い印象を持っていることに違和感を抱いた。日本ではスペインに興味を持っている人は多くないから余計不自然。
posted at 20:12:07人間は快適な環境にいたら抗議なんかしない。歴史的にバルセロナの市民運動が強力な理由の一つが住環境が悪いこと。18世紀から住居不足という問題を抱えてた。1930年代の平均寿命は長時間労働と劣悪な住環境で40歳に届かない。このままでは資本主義に殺されると思ったから労働者は革命に望みをかけた。
posted at 20:28:36バルセロナは住宅不足の問題を抱えたままフランコ独裁政権時代に入った。その後スペインは民主化し、社労党の市長が誕生するけど都市開発の方針に大きな変更はなし。問題解決が先送りにされたままオリンピック招致に向かう。新自由主義的な価値観に基づく「国際都市バルセロナ」イメージ戦略の始まり。
posted at 20:39:45先週1/15にバルセロナ市は「気候緊急事態宣言」を出した。気候変動の問題に全力で取り組むという宣言なのだけど、市長コラウのスピーチはバルセロナ市の緊急事態宣言にも聞こえて、ネオリベモデルからの一刻も早い脱却が緊急課題であることが言葉の端々から伝わってくる。youtu.be/io5lD41YDjk
posted at 20:54:31「気候緊急事態宣言」のバルセロナ市長コラウのスピーチで印象に残ったのが「文化を変えることで生産や消費のあり方を変えていこう」という訴え。文化的覇権を握ることで人間の生産や消費活動のあり方を変えて資本主義に変わる経済モデルを実現したのがアナキズム革命だった。youtu.be/rfW-_zIzVjA
posted at 21:05:04アダ・コラウのバルセロナ市長の就任を実現させるのに大きな支えとなったのが、新自由主義的な開発モデルに抗議してきたバルセロナ各地区にある住民組織のネットワーク。最初の選挙の時に近所のミーティングに行ったら、他の政党に比べて圧倒的に中高年の女性が多かったのがすごく印象に残ってる。
posted at 21:43:25
2020年2月11日
資本主義の最大の問題は、ありとあらゆるものをお金を支払うことで手に入る商品にしてしまうこと。その結果、生きていくだけでもお金が必要不可欠になり、お金を稼ぐ手段を失うとたちまち生存の危機にさらされるようになった。19世紀に民衆の蜂起が増加したのも資本主義が貧困の質を大きく変えたため。
posted at 19:22:11資本主義の浸透レベルによって貧困の質が違うからこそ、スペインのアナキズムにはアンダルシアとカタルーニャという二つの中心ができた。農村部で日雇いの農業従事者が中心のアンダルシアと産業化が進んで都心部の工場などで働く賃金労働者が中心のカタルーニャでは、ずいぶんと違う形で発展していく。
posted at 19:35:47資本主義が未発達だったアンダルシアでは、自給自足という方法が可能だったため、貧困対策として生産手段と生活の場を一度に確保できる土地の占拠が有効だった。一方、資本主義が発展していたカタルーニャでは、賃金を得る=雇用の確保が貧困から抜け出す唯一の手段となって、労働組合が発展していく。
posted at 19:51:35カタルーニャでアナキズムが大きな支持を得たのも、連帯することで働く権利=雇用を守る労働組合という実践的な手法を提示して成果を上げたから。誰しも生存が保障されないことには社会の変革なんて考えられないわけで、資本主義を倒すためには、まず資本主義社会を生き延びる方法が必要だと考えた。
posted at 20:05:52101年前の今日、バルセロナはCNTを中心に労働者がカナデンカのストの真っ只中にいた。2月6日に1日の労働時間を最大8時間にすることを求めて始まったストは44日間に渡ってバルセロナを完全な麻痺状態に陥れ、その結果8時間労働が実現することになる。アナルコシンディカリズムの最大の功績と言われる。 twitter.com/CNTCatalunya/s…
posted at 20:21:34労働者の日5月1日のメーデーは米国で1886年に8時間労働を求めて闘った労働者への弾圧がきっかけになって創設された。首謀者として処刑された「シカゴの殉教者」もアナキスト。振り返ればアナキストはずいぶん労働者の権利に貢献しているのだけど、その功績は忘れ去られがち。www.publico.es/culturas/histo…
posted at 20:44:33ちなみに、エマ・ゴールドマンはアナキストが処刑されたヘイマーケット事件に衝撃を受けてアナキストになった。無理矢理結婚させようする父権主義的な父親から逃げるために米国に渡ったゴールドマン。新天地でも資本主義による父権制に出会い、正面から闘うことを決意する。www.eldiario.es/_17221f03
posted at 20:58:59
2020年3月30日
カタルーニャにアナキズムの種を蒔いたのは、南北争前夜の米国の政情不安の影響をもろに受けた経済危機。貧困と不安に苦しむ民衆を前に政府は何の対策もとらない。「搾取と弾圧を繰り返す他には何もしない政府も、自分たちを取り巻く混沌とした状況が生じた原因の一つでは?」と考える人が増えていく。 twitter.com/cira_japana/st…
posted at 19:25:4019世紀にアナキズムを支持したのは、政府を壊して混沌とした状況を作り出そうとした人たちではない。自分たちが生きる社会がすでに安定には程遠い混沌とした状況であると考える人たちが、混沌を生み出している要因の一つに政府を挙げ、政府がない方が社会は安定すると主張するアナキズムを支持した。
posted at 19:39:16スペインのアナキズムも誤解されている。その原因の一つが、戦争という非常事態の発生によって実際には少数派だった最もラディカルな一派(ドゥルティが象徴する)が表舞台に出るという番狂わせが起こったこと。それによって残念なことに、その前の半世紀以上に渡る歴史が日陰に追いやられてしまった。 twitter.com/rivercag/statu…
posted at 19:54:54ピストルを手に資本家や銀行を襲撃するスペインのアナキストのイメージの大元が、ロス・ソリダリオスとして知られるドルティ、アスカソ、ガルシア・オリベル。欧州はもとより、南米でも直接行動を実行した彼らの足跡はハリウッド映画の台本みたいで、歌にもなっている。youtu.be/JzgVVx0_dtM
posted at 20:07:36ロス・ソリダリオスというのはテーマとしてはカッコ良いから、民主化後にスペインの若者の間でパンクの影響を受けたアナキズムが流行る中でも再び取り上げられる。これは90年代のバヤドリッドのパンクバンドPuaghのカバー。ライブでめちゃくちゃ盛り上がりそうだな。 youtu.be/rxsT99sNELY
posted at 20:19:20私は音楽を経由してスペインのアナキズムにはまったので、文献センターの連載と同時進行で書いたラティーナの記事は二卵性双生児みたいなもの。スペインのアナキズム文化の特徴的な点は物流のネットワーク構築から人の組織を生み出すところなので、音楽の変遷を音源と物流の変化から切り取ってみた。 twitter.com/latinacojp/sta…
posted at 20:40:17もともとアナキズムに興味があったわけでなく、土着の音楽ルンバ・カタラーナの歴史を掘り下げていたら、いつの間にかカタルーニャのアナキズムにどっぷり浸かることになった。カタルーニャの文化のベースにあったのがアナキズムだったからで、対象が音源か文献かの違いだけ。変遷を追うのが面白い。
posted at 20:56:30「アナキズムは運動だ」と言われるように、カタルーニャのアナキズムは新たな要素を取り入れながらどんどん変化していった。市民戦争までの変化の幅をルンバに例えてみると。。。第1期ー19世紀:PERET – El Muerto Vivo (Actuación 1966) youtu.be/XZbueAroD5c
posted at 21:15:54カタルーニャのアナキズム第2期ー1900-10年代/出版と教育:Bailen Mi Rumbita youtu.be/WrlvQWlVufY
posted at 21:19:16カタルーニャのアナキズム第3期ー1910-20年代/アナルコサンディカリズム:Albert Plà y Chipén – Joaquín el necio youtu.be/-e7kCex8Em4
posted at 21:22:24カタルーニャのアナキズム第4期ー1930年代/アナキズム革命:Tahita (ロス・ソリダリオスはこのあたり。Ojos de brujoを耳にしたとしてもPeretのルンバは想像できないよなと改めて思う)youtu.be/O7GElBjCPXQ
posted at 21:27:34
2020年4月13日
カタルーニャのアナキズムの特徴はアナキズム研究が思想を扱うというより、歴史的事実を扱うものであるところ。アナキズム研究の中心にいるのは日本では郷土史家と呼ばれるような人たちで、文献や記録を調べてアナキズムに影響を受けた人が何を行ったのかを再構築するという作業を根気強く続けている。
posted at 19:09:46カタルーニャのアナキズム研究は遅れている。フランコ独裁政権時代はスペイン国外の資料しか参照できず、民主化後も散逸した資料を再収集するのにさらなる年月が必要だった。客観的な資料に基づいた最初の研究書の一つに挙げられるのが、1993年に出版されたアントニ・カステイスの集産経済を扱った本。 twitter.com/CGTCatalunya/s…
posted at 19:32:21スペイン市民戦争後も現役だったアナキストがいたこともあり、1990年代に入るまでの文献は当事者の証言に基づいた歴史の記録がメインだった。客観的に検証された歴史の書籍が続々と出るようになったのが2000年代に入ってからで、若い世代の研究者も増えてここ数年は面白そうなテーマの本が目白押し。
posted at 19:41:47研究者たちが力を入れているのが「アナキズムの脱神話化」。スペインのアナキズムは「スペイン内戦」や「反ファシズム闘争」という歴史的背景によって国内外で神話化されてきた面もあるんだけど、カタルーニャの研究者にとってはあくまでも史実。客観的な事実確認が行われる中で覆される通説も数多い。
posted at 19:52:54通説が覆ったのは、例えばドゥルティのプロフィール。CNT組合員だったことに間違いはないけど、FAIのメンバーになった事実はなく、CNTの内部でFAI派と呼ばれるグループにいただけだった。スペイン語やカタルーニャ語のWikiでは修正済みだけど、英語版や仏語版はCNTとFAIに参加していたことになってる。
posted at 20:06:56ドゥルティのプロフィールに関してはスペイン語からの翻訳の問題もある。CNT組合員のことはCNTISTAというのだけど、同じ-ISTAで終わるFAISTAはFAI寄りの意見の持つ親FAI派の意味でも使われていた。いろんな人の証言に食い違いがあるので、資料に基づいて調べたらFAIのメンバーではなかったとのこと。
posted at 20:13:35スペイン市民戦争中に絞ってCNT組合員の動きを詳細に追うというテーマでもこれだけのボリュームの本になる。小さいのが一番先に出た概説書で2011年出版。厚いのは各500頁以上なんだけど、著者のギリャモン氏によるともう一冊このボリュームの本が出てようやく完結するらしい。 pic.twitter.com/umf9Lzj0Lm
posted at 20:27:36「アナキストが二人集まると議論が始まる」と言うように、研究者によって見解が違うのが前提で、多様な主張が共存してるのもカタルーニャのアナキズム研究の面白いとこ。ギリャモンはアナキズム革命の中心はCNTでもFAIでもなく、CNT組合員たちが各々の居住地区で自主組織した防衛団だったという立場。 pic.twitter.com/gkwrg0SepO
posted at 20:39:25
2020年5月7日
アナキスト教育者フェレ的な視点からだと、この件は子どもたちが実践を交えて、感染症の予防法に関する誤った知識を体得することになるのが最も罪深い。フェレの学校だったら、医療現場で使われる防護服を入手してポリ袋防護服との違いを実験で示し、適切な感染予防法を知ることの重要性を説くだろう。 twitter.com/mainichijpnews…
posted at 18:20:29新型コロナの影響で工事が中断しているサグラダファミリア教会。工事や施設で働く人が失業や一時解雇で困っているにもかかわらず、外国人観光客が戻って来る(入場料収入が見込める)まで工事再開しないらしい。工事資金は十分すぎるほどあるので、もはや宗教施設ではなくて単なる観光施設ということ。 twitter.com/el_pais/status…
posted at 18:32:38サグラダファミリアは日本語で聖家族。名称からもわかるように、この壮大な建築計画はイエスの義父ヨゼフ信仰の促進を目指す保守カトリックの手で始まった。時期的に見ても、家父長制的な家族制度を否定するアナキストのプロパガンダ活動が広がる中で、カトリック教会の巻き返し運動の目玉だったわけ。
posted at 18:46:38スペインの共和主義の父フランシスコ・ピ・イ・マルガイが反国家・反教会というプルードンの思想をスペイン語に訳して出版したのは1864年。その2年後の1866年に聖ヨゼフ信仰のプロパガンダ組織が創設されて、1881年に教会建設予定地の獲得に成功した。こうして始まったのがサグラダファミリアの建築。
posted at 19:14:29ガウディが若い時に反カトリック教会運動でアナキストと交流があったのは調べればすぐわかるんだけど、サグラダファミリア建設を巡る公式の伝記では敬虔なカトリックということになっているからか、あまり言及されることがない。興味深いことこの上ないエピソードなのに。 elpais.com/ccaa/2013/12/1…
posted at 19:43:28
2020年5月9日
アナキズム文献センターには、エスペランティストの平井征夫さんが集めたスペインのアナキズムや市民戦争に関するスペイン語の書籍が収蔵されてる。サイトの目録に目を通したらすごいラインナップだったので、一度手にとって見てみたくて文献センターを訪ねた。cira-japana.net/pr/?page_id=159
posted at 11:12:01この本の山の一角にスペイン語の本がぎっしり詰まった本棚を見たときの衝撃ときたら。。。アナキズム関連の本を読んでいるときに、研究者が亡命アナキストの自宅を訪ねた時にその本のコレクションに驚いたという記述を何度も目にしたのだけど、こういうことなのかと追体験した感じ。言葉が出なかった。 pic.twitter.com/5MavdSklkO
posted at 11:20:34平井文庫はフランコ末期から1990年代に出版された本がメインなので、現在のバルセロナの書店はもちろん、図書館の閲覧棚にもないような本がずらっと並んでた。今みたいにネットで外国書籍が入手できない時代に、これだけのスペイン語書籍を日本に集めるには、途方もない労力と情熱が必要だったはず。 pic.twitter.com/Hi6584JSWE
posted at 11:37:38アナキズム関連のテキストは比較的容易にネットでPDF版が手に入るんだけど、やっぱり本として存在していて中をパラパラ見れるのとは違う。「感染症×アナキスト」というテーマは、たまたま平井文庫から借りたフェレの著作が手元にあって、時折眺めているうちに思いついた。cira-japana.net/pr/?p=849
posted at 11:56:471976年出版『Escuela Moderna』が面白いのは、クロポトキン、エリゼ・ルクリュ、セバスティアン・ファウレなど同時代のアナキストの文書が収録されてるところ。ファウレは日本ではあまり知られていないけど、スペインのアナキズムには大きな影響を与えた。80年代にCNTが出したファウレのアナキズム論。 pic.twitter.com/BZtWenOw2h
posted at 12:07:34平井文庫には、カタルーニャのアナルコサンディカリズムの最重要人物サルバドル・セギの論考集も! ペイラツ、モンセン、パスなどCNTの中心人物の著作も豊富で、日本にいながらCNT研究の一次文献を手にすることができるなんて想像もしなかった。本当に貴重なので、今後も紹介していきたいと思ってる。 pic.twitter.com/ooEI2PrCN0
posted at 12:26:44平井文庫との出会い、私は舞い上がってるし、夫はアナキズムに詳しくないから、数時間では細かいとこまで見られなかったけど、スペインのアナキズムにどっぷり浸かった後で外に出ると、目に入るのは富士山と一面の茶畑。茶畑をキホーテとサンチョが横切っていっても驚かないほど衝撃的な体験だった。 pic.twitter.com/t0bdvWUZrx
posted at 12:40:15文献センター所蔵アナルコフェミニズム雑誌。今の日本でアナキズムとフェミニズムが遠く感じられるのは、女性アナキストが伊藤野枝や金子文子みたいに男性パートナーと一緒に取り上げられるからかもしれないなと思った。女性は男性の影響を受けやすいという発想につながって女性解放と結びつきにくい。 pic.twitter.com/5a2isBTRub
posted at 12:59:05そういえば、スペインの女性アナキストでパートナーの男性と一緒に取り上げられる人って思い浮かばない。モンセンは夫もアナキストだったけど、夫に出会う前からアナキストだった。女性アナキストが他の女性をアナキズムに誘うという形で、アナルコフェミニズム組織Mujeres Libresの結成まで拡大した。
posted at 13:09:13私自身もバルセロナで女性が語るアナキズムに触れたのが、アナキズムに本格的に興味を持つようになったきっかけ。夫は印刷とタイポグラフィには情熱を傾けてるけど、アナキストではないし。日本でも女性の声でアナキズムを語った方が良いのではないかと思ったから、最近アナキズムについて書き始めた。 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 13:19:26スペインのアナキズムでは、印刷とタイポグラフィはアナキストと密接な関連がある。このテキストに出てくるリュナスのように初期のアナキストには印刷工が多かった。労働者階級はほとんど文盲という中で、文字が読めたし、仕事で冊子の印刷を請け負ってアナキズムの思想に触れる機会が多かったから。 twitter.com/cira_japana/st…
posted at 13:41:36
2020年5月13日
そういえば、山本鼎の発想がリベルタリオ(スペインのアナキスト)っぽいなと思って「農民美術・児童自由画100年展」に行ったことを思い出した。1910年代のパリ(アナキストがたくさんいた)滞在中に木版工場でアルバイトしていたという話があって妙に納得。さらには革命前のロシアにも行っている。 pic.twitter.com/D3c2ukOrP3
posted at 20:17:52
2020年5月17日
今回2本の記事で紹介したかったのは、スペインのアナキストが作ろうとしていたのは組織ではなく仕組みだったという点。プエンテは《コムニスモ・リベルタリオ》について「人間の統治(組織)が集団的なモノの管理(仕組み)に代替されている社会組織のあり方」とも説明した。cira-japana.net/pr/?p=875
posted at 18:13:19組織を作らないというのはスペインのアナキストの生存戦略。歴史を通じて政府からの弾圧が凄まじくて、フェレもプエンテもそうだけど、優秀な人が出てくるとそばから殺害されてしまう。リーダーや組織を中心にすると、消された時にプロジェクトそのものが消えてしまうから、あまりにも高リスクだった。
posted at 18:20:13スペインのアナキストにとってアナキズムとは「未来の構築」だから、プロジェクトの継続が何よりも重要。そこで人や場所が変わっても継続可能なモデルを作ることに心血を注いだ。フェレの《現代の学校》もプエンテの《コムニスモ・リベルタリオ》もテキストが翻訳されてそのアイデアが海を超えていく。
posted at 18:27:28アナキスト歴史家は「スペイン革命」を「リハーサル」とか「実験」と呼んで、客観的に事実を掘り起こそうと努める。ナショナリストは過去の栄光を歴史に求めるけど、アナキストが歴史に求めるのは未来への教訓だから何を失敗したのかを冷静に検証することが重要で、過去の神話化は百害あって一利なし。
posted at 18:39:35アナキズムは国家が機能せず混乱した政治状況のスペインに生きていた人々の間に「国家なしの社会は可能か」という問題提起として入ってきた。言ってみれば、スペインのアナキズムの歴史は、これが可能かどうかを様々なモデルを試して検証していく実験の過程の記録。そのアイデアの豊富さが一番面白い。
posted at 18:55:50スペインにも「自粛警察」はいて、ベランダから他の住民の行動を監視するので「ベランダ警察」や「ベランダナチス」と呼ばれる。フランコ政権は国家ナショナリズムと愛国心を煽ることで、相互監視と密告によって体制の安定化を図り、長期に渡る独裁体制を可能にしたから、こういう言葉が存在してる。 twitter.com/ctxt_es/status…
posted at 19:21:04今のスペイン政府のロックダウンに強固に反対してるのが元フランコ派というのはすごく象徴的で、彼らは自分たちと国家を同一視してる。他の人の自由が制限されることは自分の権力の行使とみなして協力する一方で、国家が自分たちの自由に介入してくると猛烈に反発する。 www.publico.es/politica/barri…
posted at 19:36:54独裁は一人の人間が全権を掌握するシステムではなく、人を平等に扱わないシステム。大多数の人の自由が大幅に制限される一方で、一部の人たちには国家権力すら介入できないような自由が与えられる。こうしたピラミッド型の組織に支えられるのが独裁政権だから、ファシズム勢力の方が組織作りは上手い。
posted at 19:45:17フランコ政権のイデオロギー的基礎になったのが「右のCNTを作ろう!!」と生まれた反革命勢力のファランヘ。横型組織アナルコシンディカリズムに対抗して、縦型組織ナショナルシンディカリズムを掲げて労働者階級にアピールしたものの、成果が出ないので右派は軍部を使ったクーデターに切り替えた。
posted at 19:59:19ファランヘのイデオローグだったラミロ・レデスマが編集長だった機関紙のタイトルは『La Conquista del Estado(国家の略取)』と、明らかにクロポトキンの『La conquista del pan(パンの略取)』を意識したものだった。当時クロポトキンの著作が持っていた重要性がよくわかるエピソードだと思う。
posted at 20:07:15《コムニスモ・リベルタリオ》 をテーマにしたこの歌にはアナキズム革命の映像が使われているのだけど、0:58ぐらいのところで労働者が「HIGIENE Y ASEO(衛生と洗面所)」と書かれた横断幕を掲げているのが見える。これを最初に見たときは場違いな感じがしてちょっと驚いた。 youtu.be/YyGizgIUNJk?t=58
posted at 20:18:08
2020年5月18日
日産の工場閉鎖への反対活動中のアナルコシンディカリズムの労働組合CGT。感染症対策であって個人の自由の制限ではないから、マスクをしてソーシャルディスタンスも守ってる。反権威主義は何をするか何をしないか自分で判断して決めること。一律全てに反対するのも権威を認めることになってしまう。 twitter.com/CGTCatalunya/s…
posted at 19:39:13ファシズムも全体主義も日本に特有の問題ではなくて、ファシズムに丸ごと飲み込まれた過去がある欧州も、新型コロナで国家ナショナリズムや愛国心が煽られて楽観視できない状況。有効な対策がないのがさらに問題で、手探りで対策を講じていくしかない。コロナと同じく何が特効薬か誰にもわからない。 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 19:51:14反ナショナリズムは、ナショナリズムに批判的な姿勢を取ることではなくて、国家とか国籍という単位でくくって物事を考えないようにすること。例えば、日本のナショナリズムを批判していたとしても、日本とか日本人というまとまりで考えることを続けている限りは、ナショナリズムから自由になれない。
posted at 20:01:2520世紀にファシズムが欧州で蔓延した時にスペインで防波堤の役割を果たしたのがアナキストだったから、市民戦争までのアナキズムにこだわって調べている。最初はアナキズムの個人主義が全体主義への徹底的な抵抗の源となったと見立てていたのだけど、調べたら予想とは違っていてさらに興味が湧いた。
posted at 20:13:5019世紀からスペインで広まったアナキズムでは「自分が自由になれるのは周囲の人全てが自由になったとき」と考える。だからこそ、アナキストは誰に頼まれるわけでもないのにプロパガンダ活動に勤しんだ。いわゆる個人主義とは対極にある考え方だったので、その力の源は個人主義ではない。では何だろう。
posted at 20:26:30
2020年6月30日
今回はスペインの「第一インターナショナル」が表テーマで「アナキズムと暴力」が裏テーマ。マラテスタ曰く「アナキストが暴力に反対するのは自明のことだ。アナキズム思想の中核をなす考えは、社会生活からの暴力の排除である」。リベルタリオにとって暴力とどう向き合うのかは常に大きな問題だった。 twitter.com/cira_japana/st…
posted at 19:32:00スペインには、第一インターナショナルでのマルクス派とバクーニン派の対立がそのまま歴史に刻まれた。これが現在まで続く左派の分裂の根本的な原因で、マルクス主義者が優勢なマドリードとアナキズムの伝統を引き継ぐバルセロナの方向性の違いから一つにまとまらない。あまりにも根が深すぎる。。
posted at 19:48:55ちなみにスペイン第二共和政の左派の統一戦線と言われる「人民戦線(Frente Popular )」の時もカタルーニャだけは「左派戦線(Front d’Esquerres)」で別枠だった。ポデモスの戦略的な失敗の一つは、全国政党を目指したことだと思ってる。歴史に学んできた彼らがどうしてこの方針をとったのか。。。
posted at 19:57:04面白いことに、マルクス派とバクーニン派に分かれた理由としてバクーニンが送り込んだファネリがイタリア語とフランス語しか話せなかったことが挙げられている。カタルーニャ語も操るバルセロナの人はファネリの話がおおよそ理解できたけど、スペイン語だけのマドリードの人は理解できなかったとか。
posted at 20:09:37マルクスがスペイン語ネイティブのラファルグ(『怠ける権利』の著者)を送り込むとマドリードはマルクス派が優勢に。アンダルシアのプロパガンダには、アカデミア印刷所の印刷工エステべ(のちに米国でエマ・ゴールドマンと一緒に活動する)がマラテスタに同伴したから、アナキズムが根付いたらしい。
posted at 20:21:25アナキズムのプロパガンダは印刷物メインだから言語が大きな影響を与えるので、言語がアナキズムの受容に影響した話は興味深い。私も日本語以外に読める言語が欲しいと思っていてスペイン語に辿りついたのだけど、スペイン語がわかるようになったら以前は興味がなかったアナキズムが急に身近になった。
posted at 20:42:03アナキズムに興味のある読書好きの方はスペイン語オススメ。ラ米のものもあるから文献には事欠かないし、21世紀の日本から19世紀のバルセロナでアナキストが発行した新聞にもアクセスできる。日本は会話を重視するけど、私は独学できる読解を中心に勉強して、読解力が上がるにつれて会話力も上がった。
posted at 21:00:27さらに日本には平井文庫というスペイン語のアナキズム関連文献のコレクションがあるので、日本から出なくても第一次資料にあたれる。この素晴らしいコレクションを一人でも多くの方に役立てて欲しいので、アナキズムに興味のある方はスペイン語を是非! cira-japana.net/pr/?page_id=159 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 21:15:23
2020年7月19日
昨日パリでルシオ・ウルトゥビオ逝去。享年89歳。偽造のトラベラーズチェックを世界中にばらまいて現シティバンクを手玉に取った伝説的アナキスト。生涯一タイル職人として生きた彼は、19世紀から脈々と続くスペイン・アナキスト=リベルタリオの原型を今に伝える人物だった。www.lavanguardia.com/politica/20200…
posted at 19:17:53ウルトゥビアは銀行から強奪したお金を活動資金にするというロス・ソリダリオスの流れを汲む最後のアナキストととも言えた。資金提供だけでなくパスポートや身分証明書の偽造で、米国のブラックパンサーやムヒカも参加していたツパマロスなど世界各地の反政府組織を支援した。 youtu.be/OoOYb-WcvH0
posted at 19:32:10ウルトゥビアはナバラの農村生まれ。フランコ体制下で徴兵される。軍の資材を横流しがバレてフランスに亡命。パリでカタルーニャのアナキストたちの影響でアナキストになる。ピレネー山脈に潜んでフランコ体制にゲリラ戦を仕掛けていた「最後のCNTゲリラ」キコ・サバテと出会って非合法活動を始める。
posted at 19:48:00ちなみにカタルーニャのアナキストたちは「スペイン内戦終結」をアナキズム革命の終わりとは捉えていなかった。フランスで再集結して「Movimiento Libertario リベルタリオ運動」を結成。カタルーニャCNTの代表だったヒターノのバスケスが委員長となり、革命継続とフランコ打倒の道を模索を開始した。
posted at 19:56:56ウルトゥビアはサバテから託された機関銃で銀行強奪を始めるが、はずみで人を傷つけるのが怖かったということで、偽造という非暴力的解決法を見つけると銀行襲撃をやめる。米ドル紙幣の偽造をキューバ政府に持ちかけ、パリを訪れた経済相ゲバラに交渉するが断られ、トラベラーズチェックの偽造を開始。
posted at 20:18:23世界中で自社のトラベラーズチェックの偽造が流通するようになり、現シティバンクはパニックに。フランス警察は首謀者としてウルトゥビアを逮捕拘束するが、偽トラベラーズチェックの流通は止まらない。困惑したフランス警察はシティバンクに示談を勧め、銀行は彼に慰謝料(!!)を支払い流通を止めた。
posted at 20:26:01ウルトゥビアによれば、欧州と北米、南米に30あまりのグループをが存在して偽造と流通を行っていた。リーダーなしでも完璧に機能するシステムを構築していたわけで、「人の統治をモノの管理に置き換える」と説明したプエンテのコムニスモ・リベルタリオの実践に他ならない。cira-japana.net/pr/?p=875
posted at 20:34:495年前のTVのインタビューでウルトゥビアは「 84歳になっても世界を改善できると信じている」「世界にアナキストはたくさんいる。アナキズム思想は必要不可欠なのだから」と語っている。この強固な楽観主義と未来への希望がスペイン・アナキスト=リベルタリオの最大の特徴。 youtu.be/W0KvDz_KKXY
posted at 20:43:5420世紀にアナキズムが入ったところでは、アナキズムとニヒリズムが近しいようなのだけど、スペインでは19世紀の思想。20世紀にはすでにリベルタリオ思想として固まっていたので、ニヒリズムの影響はほとんどない。ニヒリズムにひかれる人を取り込んだのがスペイン製ファシズム「ファランヘ」だった。
posted at 20:52:22スペイン市民戦争のアナキスト側の象徴ドゥルティは、独裁者プリモ・デ・リベラの長男でファランヘの創設者ホセ・アントニオとは同郷で幼馴染だったらしい。そして、ドゥルティの弟は兄と同じくCNT組合員になったが、その後にファランヘに転向した。www.agenteprovocador.es/publicaciones/…
posted at 21:08:13ルシオ・ウルトゥビアの生涯を扱ったドキュメンタリーはスペインの公共放送TVのサイトで観られる。公共放送が銀行強奪や偽造を行ったアナキストのドキュメンタリーを扱うところに、スペインの歴史や社会におけるアナキズムの存在感や重要性がとてもよく現れていると思う。 www.rtve.es/v/961865/
posted at 21:15:24ウルトゥビアはシティバンクから受け取った慰謝料で、アナキズムの黒旗の考案者ルイーズ・ミシェルに捧げたオープン・スペースを造った。マラテスタ曰く「アナキストだけで孤立するより、アナキストではない人たちの中で最もアナキストらしく生きたい」。最後までリベルタリオ的な生き方の人物だった。
posted at 21:24:07イタリアのアナキストとして知られるマラテスタだけども、実はスペイン、ラ米とスペイン語圏のアナキズムに多大な影響を与えた人物。だからこそ、マラテスタ研究者の戸田三三冬さんは研究のためにスペイン、ウルグアイ、アルゼンチンを訪問していた。 cira-japana.net/pr/?p=645
posted at 21:29:11
2020年7月26日
米国のアナキズム運動は言語別にまとまっていたという話を聞いていたから、とても興味深く読んだ。英語のネイティブスピーカーでない移民が大きな役割を担っていたので、ゴールドマンが参加していた集会でもスピーカーは英語以外に自分の母語、例えばスペイン語やイタリア語でも演説していたとのこと。 twitter.com/cira_japana/st…
posted at 17:05:4220世紀初頭の「スペイン風邪」の時、ニューヨークでは公機関からの感染症の情報が英語だけだったため、イタリア系移民の犠牲者が多かった。後にイタリア語の現地紙に情報を出すようになったことで状況が改善されたという。米国というと英語を思い浮かべるけど、実際は様々な言語の社会が並存していた。
posted at 17:14:53米国のアナキズム運動で規模が大きかったのは、イタリア系移民、スペイン語系移民、ロシア系ユダヤ人(エマ・ゴールドマンやパートナーのアレクサンダー・バークマンはこの集団)。もしロシア語のアナキズム研究を読むことができれば、スペイン語から見るのとは全然ちがう風景が見えてくるのだろう。
posted at 17:28:10ゴールドマンの盟友だったイタリア出身アナキスト、マリア・ロダのパートナーはバルセロナのアカデミア印刷所で修行して印刷工になったペドロ・エステべ。この主要言語をカバーできる三人は、米国を一緒に回ってスピーチしていたそう。マラテスタが米国を訪れた時にはロダ&エステべの家に滞在した。
posted at 17:36:37スペイン王国の最後の植民地だったキューバは、アナキズムが欧州からラテンアメリカへ伝播する際に中継地の役割を果たした。キューバにおけるアナキズムの担い手はタバコ職人だったため、米西戦争に勝利した米国がスペインからタバコ産業を奪い取ると、タバコ産業とともにアナキストも米国に移動する。
posted at 17:44:27タバコ工場の中は、工場主も介入できない労働者の自治空間だったそうで、印刷物に情熱を捧げるアナキストは、アナキズム文学やプロパガンダを音読してもらうためにお金を出し合って読み手を雇った。台の上からテキストを読み上げる読み手の声に、労働者は作業しながらじっと耳を傾けていたという。
posted at 17:57:25テキストによるプロパガンダの面から、アナキズムで言語の問題はとても重要。スペイン語でアナキストと同意義のリベルタリオ(Libertario)は英語だと一般的にリバタリアンを当てられるけど、スペイン語ではリバタリアンはリベルタリアノ(Libertariano)になるのでリベルタリオと明確に分けられる。
posted at 18:10:58米国のアナキズム運動でスペイン語圏の影響力を強化したのが「在米朝鮮人アナーキストの雑誌『黒風』について」でも触れられているメキシコのアナキストの存在。フローレス・マゴンなどメキシコ革命から排除されたアナキストは、国境を越えて米国の労働組合IWW(世界産業労働組合)の闘争に参加した。
posted at 18:22:02フローレス・マゴン三兄弟は先住民運動とアナキズムを融合させ、サパティズムにつながるメキシコのアナキズムの基礎を作った。彼らを中心とする「マゴニスト」はメキシコ革命の立役者でもあるにもかかわらず、「革命」が国家の歴史の1ページに刻まれ、国家ナショナリズムに取り込まれると排除された。
posted at 18:34:58スペイン語圏のアナキズムに共通しているのは、19世紀末から女性が存在感を発揮していて、彼女らがフェミニズムの創始者と位置付けられていること。例えば、メキシコのマゴイストには、女性として初めて新聞の編集長となったフアナ・ベレン・グテレス・デ・メンドサがいる。 gatopardo.com/perfil/juana-b…
posted at 18:55:13スペイン語圏で最初にフェミニズム新聞を発行したのもアナキスト。1896年にアルゼンチンのビルヒニア・ボルテンが「神も雇用主も夫もいらない」を掲げて『女性の声』を作った。この映画では、男の同志から嫌がらせや妨害を受けながらも新聞を発行に奔走する姿が描かれている。 youtu.be/LLh8AX0tcY0
posted at 19:08:31スペイン語圏でアナキズムがフェミニズムと密接な関係にあるのは、バクーニンの影響がとても強いから。バクーニンが帝政ロシアの家父長制を批判して、その打倒を掲げたことから、女性解放の思想が出てきた。1871年の第一インターナショナルで初めて「男女平等」が掲げられる。barcelona.indymedia.org/newswire/displ…
posted at 19:30:07バクーニンを支持するアナキストが主張したのは「家父長制に基づく家族」を壊すことであって「家族」という概念自体に反対したわけではない。「家父長制に基づく家族」のみを家族と考える人にはアナキストが「家族を壊そうとする」ように見えるだけの話。結婚についても同じで、別の関係性を模索した。
posted at 20:02:10