2010年代に雨傘運動が盛んだった香港を徹底的に潰したのが少し前、直近だと中国共産党第二十次全国代表大会でしたか、李克強を引退させた上に胡錦濤をああいう形で追い出しました。よほど文化大革命Ver.2をやりたいようで。
まぁそんな雲の上のことに限らず、足元でもコロナ禍で急速に閉塞感が強まってきたのを敏感に感じ取ってるからこその傾向かな、と。
国を省ごとにでも分割すれば時間をかけて民主化できそうな気もしなくはないけど、今の14億人規模のままだと自壊するまで身動き取れないよね。
あぁそう、党全代会で映るのが見事にオッサン爺サンばっかりで。
日本も他人のこと言えないけど・・・
ともあれ、国を挙げて台湾侵略なんぞヤラカさんことを願うのみ。
◆国が掲げる目標とは「絶対に相容れない」彼らの現状 「僕らが最後の世代なんで」─子供を持たないと誓う中国の若者たちの主張【クーリエ・ジャポン:ガーディアン 2023年2月18日】
人口減少の時代に突入した中国では、政府が子育て支援などの対策に乗り出しているにもかかわらず、「子供を持ちたくない」と考える若者が急増している。何が彼らをそう思わせるのか、英紙「ガーディアン」が取材した。
人口減少に歯止めがかからず
中国の都会に住む若い女性たちに、子供を持つ可能性はあるかと聞いてみれば、おそらく、あまり乗り気ではない答えが返ってくるだろう。
「子供にいい暮らしをさせてあげるには、お金がかかりすぎます。学校で教わるのは政府のプロパガンダですから、自分の子供はインターナショナルスクールか海外の学校に入れたいんです。でもそれは金銭的に無理です」。こう話すのは、コンコンという26歳の研究者だ。彼女は子供は持たないと決めている。
1月、中国政府はこの国が「人口減少の時代」に突入したと発表した。1958年から1961年にかけて起こった大飢饉以来となる、歴史的な人口減少を受けてのことだった。中国国家統計局の調査によれば、同国の人口は85万人減少し、14億1000万人になった。
かつての大飢饉が人口に与えた影響は一時的なものだった。だが研究者たちは、今回の結果を、長期にわたる人口減少時代の始まりと見ている。
合計特殊出生率の低下に危機感を覚えた中国の人口統計学者たちは、10年以上にわたり、一人っ子政策廃止に向けた運動をおこなってきた。2015年、中国政府はついにこの政策自体を廃止した。だが時すでに遅しで、人口減少は食い止められなかった。
1990年代以来、中国の合計特殊出生率は人口置換水準(人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計特殊出生率)の2.1を下回ってきた。2020年には1.3だったのが、2021年には1.15まで下落している。
政府は社会の高齢化と労働人口不足のダブルパンチによる悪影響を懸念し、2015年、夫婦1組につき子供を2人持つことを認めた。さらに2021年には、子供は3人まで容認するとした。
コロナ禍でますます悲観的になった若者たち
長年にわたる研究から、中国の出生率低下の主な原因は、子育て費用の増加と社会福祉の欠如にあることが明らかになってきた。
近年、政府は税制優遇措置、子育て支援金、育児休暇の延長などのインセンティブを設け、中絶を思いとどまらせようとしている。なかには、社会福祉と年金は子供の数に応じて変えるべきだと主張し、物議を醸している学者もいる。しかし、政府によるこれらの対策は、ベビーブームを起こすには至っていない。
この絶望的な状況をさらに悪化させているのが、コロナ禍をきっかけに広まった悲観論だ。
コロナ禍で、中国政府は非常に厳しいロックダウン政策をおこなった。これに苛立ちを感じた若者たちは、無気力な「寝そべり主義」に共鳴するようになった。彼らはこの考え方のもと、プレッシャーがかかる大変な仕事を拒否する。20代、30代の多くが、周囲からの期待に抗い、多くを求めない人生を送ったり、海外に移住したりしているのだ。
彼らは子供を持つことなど考えてもいない。2022年、18〜25歳の女性2万人以上(ほとんどが都会在住)を対象にインターネット上でおこなわれた調査では、回答者の3分の2が「あまり出産したくない」と思っていることが明らかになった。
「苦しませるために子供を生むわけにはいかない」
2022年には、コロナ感染者の隔離施設に行くことを拒む若い男性の動画がSNS上で広くシェアされた。警察はこの男性に、「おまえの罪が子供や孫の代まで影響するんだぞ」と警告した。しかし、男性は冷静にこう言い返した。
「僕らが最後の世代なんで。ご丁寧にどうも」
このフレーズはインターネットミームとして人気になり、検閲で消されるまで、「最後の世代」というハッシュタグがついた何百万ものコメントが書き込まれた。その多くには、政府が強権的なコロナ政策を打ち出しては権力を濫用するという状況で、子供を持つ気が失せてしまったということが書かれていた。
「この国で子供を愛するとは、そもそも彼らが絶対に生まれないようにしてあげることだ」というコメントもあった。
「これにはすごく共感しました……『僕らが最後の世代』と書かれたTシャツも買いました。この世で苦しませるために子供を生むわけにはいきません」とコンコンは言う。
34歳の英語講師ユーニスはこう語る。「コロナ検査の結果が陰性でないと、子供を診察してくれない病院もあると聞きました……パンデミックで不安感が強まりました。いまは子供を持つことは考えていません」
カリフォルニア大学アーバイン校の社会学教授であるワン・フェンによれば、中国の人口減少は、国連が予想したよりも10年ほど早く始まったという。2019年に国連は、中国の人口のピークが2031〜32年だと予測していたのだ。
この人口減少は、35年前に開始された一人っ子政策に起因するとワンは言う。この政策の結果として、子供を産める年齢の女性が減り、人々は結婚を遅らせたり、諦めたりするようになった。また、夫婦が生む子供の数も少なくなった。
コロナ禍は状況をさらに悪化させた。ワンは言う。「結婚へのためらいと夫婦の子供の数については、3年におよぶコロナ禍で悪化した可能性があります。パンデミックのせいで、若者はとても不安になり、とても悲観的になりました」
中国の成長モデルはもはや持続可能ではない
専門家は、人口減少は中国経済にすぐには影響しないと見ている。同国の労働人口は依然として7億9000万人以上あるのだ。だが人口減少によって、中国の成長モデルが持続可能でないことは明らかになった。
北京在住の政治アナリストで、以前は精華大学で教鞭を執っていたウー・チアンは、若者が独裁主義的な支配体制に不満を募らせ、子供を持ちたくなくなっているこの状況は、国が掲げる経済成長という目標とは「絶対に相容れない」と話す。
労働者の抗議や労働力不足に加え、こうした課題もまた、安価で豊富な労働力に依存してきた「中国モデルの崩壊」に繋がるからだ。「この成長モデルは持続可能ではありません」と彼は言う。
台湾の台北海洋科技大学の准教授チェン=チュン・ウーは、人口減少は中国経済にいずれ非常に大きな影響をもたらすだろうと語る。労働力が減少し、消費市場も縮小した中国は強みを失い、海外のビジネスはアジアの他の国に向かうことになるだろうとウーは見ている。
前出のワンも、経済への影響はすぐには出ないと見ている。だが、ワンは、人口減少は中国の既存の社会制度に警鐘を鳴らし、改革を促していると考えている。不充分な医療制度がそのひとつだ。
また、同国の戸籍制度による問題もある。この制度によって人々の移動が制限されているため、農村部の子供たちが、都市部に出稼ぎに行った両親と一緒に暮らせないといった事態が起こっているのだ。
だが、人口問題に取り組む英国の慈善団体「ポピュレーション・マターズ」の事務局長ロビン・メナードは、中国の人口減少は喜ばしいことだと語る。気候危機を抑えることに繋がるためだ。彼はまた、中国は出生率に依存するのをやめ、高齢者の労働力を活用すべきだとも指摘している。