大学での免疫学の講義で広く教科書として愛読されている『JANEWAY’S 免疫生物学』を片手に置いて読むつもり。
備忘録の代わりに。
人体は何度も同じ抗原刺激にさらされると産生される抗体の種類が変化します。最初に誘導される抗体は炎症誘導性の抗体ですが、同じ抗原にさらされると炎症を誘導しない種類の抗体に変化していきます。IgG4は抗原接種を繰り返した後に誘導される非炎症誘導性抗体です。抗体の機能は二つに分けられます。
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
抗体には抗原に結合する機能と、免疫システムを活性化する機能、こちらはエフェクター機能と呼ばれますが、の二つの機能が存在することが知られています。IgG4にはエフェクター機能は期待できずIgG1とかIgG3のように免疫システムを総動員して病原体と戦うことはできません。要は抗原に結合するだけです
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
最近、mRNA型生物製剤の接種によりIgG4が誘導されるという現象に注目が集まっています。IgG抗体が非炎症性抗体に変化するとなにがおきるかを今回は考察します。最初に抗体分子の構造を紹介します。ここで覚えておいてほしいのは抗原結合部位が二つあるということ。左はWikiから。右は免疫生物学から。 pic.twitter.com/ZqO0XOPrTF
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
抗体は4つのペプチド(4本のタンパク質)がジスルフィド結合によって結合した巨大分子。基本的にはYの字の形をしており、右半分と左半分は同じものです。Yの字の先端部分には抗原結合部位がありますが、抗原結合部位が二つあることが重要です。右の図では抗原(antigen)に二つの抗体が結合しています。
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抗体が結合する抗原の一部をエピトープと呼びます。この図では抗原一個に抗体二分子が結合しています。mRNA型生物製剤で誘導された抗体はスパイクの様々な場所に結合するものがあり、かつ抗体には抗原結合部位が二カ所あるため抗原に抗体が次々に結合し抗原抗体複合体は巨大化する可能性が考えられます
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
抗体が結合する抗原の一部をエピトープと呼びます。この図では抗原一個に抗体二分子が結合しています。mRNA型生物製剤で誘導された抗体はスパイクの様々な場所に結合するものがあり、かつ抗体には抗原結合部位が二カ所あるため抗原に抗体が次々に結合し抗原抗体複合体は巨大化する可能性が考えられます
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複合体が巨大になると太い血管につまることになり、脳梗塞や心筋梗塞を招きます。このように抗原抗体複合体は血液中から速やかに除去されるべきものです。ここからIgGのサブクラスについて説明していきます。次の図ですが、一般社団法人日本血液製剤機構ウエブサイトに掲載されているものです。 pic.twitter.com/gQy7mjMset
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抗体のクラスはIgMからIgDまでの5種類に分けられます。ウイルス感染に関連する抗体はIgM、IgGそしてIgAです。IgMとIgGは血液中に存在しますが、IgAは粘膜に多く含まれるため粘膜型抗体と呼ばれます。IgA抗体は呼吸器系のウイルス感染症の最前線である、のど粘膜に存在しており感染を防ぐことが可能。
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一度ウイルスに感染するとIgA抗体が誘導されますがIgA抗体は一般的に特異性が低いためウイルスが変異しても影響は受けにくいと考えられます。IgA抗体があれば感染を防御できますが、今回のmRNA型生物製剤で誘導される抗体はIgG中心でIgAはほとんど誘導されないため基本的には感染予防効果はありません
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
一度ウイルスに感染するとIgA抗体が誘導されますがIgA抗体は一般的に特異性が低いためウイルスが変異しても影響は受けにくいと考えられます。IgA抗体があれば感染を防御できますが、今回のmRNA型生物製剤で誘導される抗体はIgG中心でIgAはほとんど誘導されないため基本的には感染予防効果はありません
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mRNA型生物製剤で極端に大量のIgG抗体を誘導できれば大量の抗体の一部が血管外にしみ出しますので、抗体レベルが極めて高いごく短い期間では感染防御効果が少しあるかもしれませんが、春の陽炎の様な効果に期待するのは間違いです。最近感染拡大している変異型に対しては感染防御効果など皆無です。
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
mRNA型生物製剤を接種すれ自分自身の感染を防ぎ人にうつさなくなるというのは最初から虚構だったわけです。
IgGはさらに4つのサブクラスに分かれます。話題のIgG4はIgGのサブクラスの一つ。これらのIgGのサブクラス抗体の機能についてまとめたのが次の表です。これはJanewayの免疫生物学からの引用。 pic.twitter.com/CITiqd85CQ— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
この表は良くできていて、これ1枚でIgG抗体のサブクラスの機能が理解可能です。表記が英語ですので上から順番に説明していきます。一番上の項目は中和活性です。これは皆さんご存じのものです。今回の場合では、スパイクタンパク質に結合してウイルスが細胞内に侵入できないようにできるかどうかです
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
IgG4もIgG1同様に中和活性を有していますがmRNA型接種で誘導された抗体は武漢型スパイクタンパク質に対する抗体ですので、現在感染拡大している変異型に対する中和活性はほぼ失われています。IgG4に中和活性がないわけではなく現在感染拡大している高い免疫回避能力をもつ変異型は中和できないのです
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
現在感染拡大しているXBB1.5?の様な高い免疫回避能力を有している変異型に対してはIgG1だろうとIgG4だろうと中和活性は実質的にはないということです。問題はオミクロン最新型に接種後の方が感染しても最新の変異型に対する中和抗体ができにくい、できないこと。これが抗原原罪のトラップです。
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二番目はオプソニン化できるかどうかです。オプソニン化とは細菌やウイルスが抗体で囲まれたときにマクロファージなどの貪食能力をもつ免疫系の細胞によって貪食されやすくなるかどうかを示しています。IgG1とIgG3が結合した細菌やウイルスは貪食されやすくなるため、ウイルスの除去が可能です。
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抗体の中和活性が失われてもIgG1抗体やIgG3抗体が結合すれば抗体が結合したウイルスは除去されることになります。この活性がIgG4にはないため、IgG4が結合したウイルスは貪食されにくく血液中からなかなか除去されない。この機能は感染防御上重要で抗体がIgG4化される最大のデメリットと言えるでしょう
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三番目はsensitization for killing by NK cellsです。これはNK細胞を活性化して、抗体が結合した細胞を殺傷する作用です。この機能はがん細胞を殺傷する際に特に重要な機能です。がん細胞の細胞表面にがん抗原が出現し、それに抗体が結合するとNK細胞は抗体が結合した細胞を攻撃することができます。
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この機能がIgG4では欠落。抗体がIgG4に変化するとこの反応がおきなくなります。2回目以降の接種では既にスパイクタンパク質に対するIgGができていますので、mRNAが導入された細胞ではスパイクが細胞表面に林立し、そこに抗体が結合すると、その細胞をNK細胞が攻撃する。この反応がおきなくなるのです
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接種を繰り返していくと接種直後の発熱がおきにくなるのはIgG1抗体がIgG4抗体に変化したためこの様な攻撃反応がおきなくなったためでしょう。四番目はマスト細胞(肥満細胞)の活性化です。この機能はアレルギー反応を誘導するIgEに限定されています。
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肥満細胞の細胞表面には、IgEに対する高親和性受容体(FcεRI)が発現しており肥満細胞にIgEが結合した状態の時に、IgEが認識する抗原がやってくるとIgEは架橋され細胞内の顆粒が放出されます。肥満細胞の顆粒内には、ヒスタミンなどのアレルギー反応を誘導する物質が含まれています。図をご覧ください pic.twitter.com/m1TFUW4fbc
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この図ですがMicrobeOnlineというサイトからの引用ですがこちらのサイトには抗体についての詳しい説明が掲載されています。英語ですが面白い記事が多いです。https://t.co/8ctk7hsj9B
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最後の機能は、補体(complement)の活性化。通常は自己の細胞には抗体は結合せず体内に侵入してきた細菌に抗体が結合するケースがほとんどです。細菌に抗体が結合すると抗体によって補体が活性化されて補体は細菌に穴を開けて細菌を殺そうとします。同様の反応は癌細胞でもおきることになります。
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この機能はIgG3が一番強く、次がIgG1でIgG4にはこの活性はありません。紹介した表からわかることはIgG4抗体には中和活性以外の機能は期待できません。一方でIgG1抗体やIgG3抗体は中和活性以外にもウイルスを排除する機能を持っています。ここまでが基礎編です。
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
次にmRNA型生物製剤を接種するとIgG4が誘導されるという論文の紹介です。これはあちこちで紹介されていますので簡潔に説明します。https://t.co/C2Is95haSt
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
論文の代表的な図はこれです。mRNAワクチン二回接種後210日後(図ではFUと表現されています)にIgG4が誘導され、追加接種でさらに促進されることが示されています。またIgG1よりも抗原への親和性が高いIgG3は追加接種を繰り返すとなくなります。ウイルスを撃退するのする抗体が減少しIgG4が増加する pic.twitter.com/jtFuw102lG
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
単に免疫を繰り返してもIgG4の誘導がおきるわけではないということも書かれていますので免疫に用いる方法が重要。既存ワクチンで使用している作用がマイルドなアジュバントではこのような現象は見られず、この現象はmRNA型特異的です。この論文で着目したのはこのグラフです。補体に着目しています。 pic.twitter.com/t8UTifiZ8g
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
Wikiの引用「補体(ほたい、英: complement)とは、生体が病原体を排除する際に抗体および貪食細胞を補助するという意味で命名された免疫系(補体系)を構成するタンパク質のこと」。補体は抗体により活性化されますが、補体を活性化できるのはIgG1とIgG3でありIgG4は補体を活性化する能力を持たない
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
ADCPは補体が関与しておきる貪食反応です。抗原に抗体が結合すると補体が活性化されて抗原抗体複合体が貪食される反応。論文中でもIgG4では、抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)、抗体依存的細胞傷害(ADCC)および抗体依存的補体沈着(ADCD)が低下と記述しています。このことが何を招くのか次スレで紹介します
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
次のスレッドと書きましたが、いつ書くかということがありますので、ポイントの予告だけ書いておきます。補体を活性化できなくなると血液中に生じた抗原抗体複合体を除けなくなります。これは接種リスクを大幅に高めることになります。年一回の接種を推進する専門家の頭の中はどうなっているのか??
— molbio08 (@molbio08) February 11, 2023
以前、このスレッドでIgG4に関して説明しましたが今回はこの続編です。今回はmRNA型生物製剤で誘導される抗体がIgG4化されることの生物学的インパクトについて、さらに説明します。 https://t.co/L8HxcQs0v3
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
この前のスレッドで紹介した抗体の機能活性一覧表を再度貼っておきます。今回のものは日本語化したものです。この表の下の部分には各抗体の分布が書かれています。抗体の血清中の濃度を見ていると桁違いに濃度が低いのはIgE。IgE抗体が増えるとアレルギー反応が誘導されるので濃度が低いのは合理的です pic.twitter.com/SYxY5rXGsj
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4はIgGのサブクラスの中では一番濃度が低い。IgG4は同一の抗原で繰り返して免疫しないと誘導されないので濃度が低いということは理解可能。同じ抗原で繰り返して免疫されることは通常ではまれ。IgG4がmRNA型生物製剤の接種の二回目以降で誘導され接種の繰り返しで増えていくことは既に紹介済みです
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4は抗体のサブクラスの中では最後にできるため親和性成熟が進んでおり抗原への結合力が高まっています。ということは炎症誘導性抗体で補体システムを活性化できるIgG1が共存していたとしてもIgG4が優先的に抗原に結合することになります。今回のスレッドで重要なのは補体システムの活性化能力です
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4には補体活性化の機能はありません。
またIgG4について一部の論文には、抗体抗原複合体ができても巨大化しないようなことが言われています。
これはIgG4の右半分と左半分の分子が入れ替わりやすいために、抗体の右半分と左半分が認識する抗原が異なったものとなっていることが多いためです。— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
このことが今回の場合、成立するかどうかですが、図のBに示したような二価抗体(bi-specific antibody)ができるためにはスパイクに対する抗体と同じくらいの量、他のIgG4抗体が存在することが必要です。IgG4は右半分と左半分の結合力が弱いため分離と再結合がおきやすいのです。図の由来は次に紹介。 pic.twitter.com/D0buwojjC1
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4は右半分と左半分の結合力が弱いため分離と再結合がおきやすいものの、そのときに同じもの、つまりスパイクタンパク質に対する抗体しかまわりに存在しなければ、結局、もとの形に戻ってしまいます。図の論文のサイトはこちらです。https://t.co/w0wruhTUaQ
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
この論文はIgG4についてのレビューです。IgG4はクラススイッチの最後にできる抗体であるため抗原への結合力が最強であることも書かれています。同時に他の抗原に結合するIgG4がたくさんあれば、この図のBのように、右と左半分の入れ替わりによって二価抗体になります。そうするとどうなるのか。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4抗体が二価抗体になると抗原―抗体―抗体―抗原―という、抗原と抗体がどんどん手をつないだような抗原抗体複合体はできにくくなります。途中に仲の悪い人が出てくるとみんなで手をつなぐステップが途中で切れてしまうようなものです。しかし、今回のケースではスパイク抗体だけが大量に存在します。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4抗体の右半分と左半分が分離して再結合したとしても、右半分と左半分は同じものになってしまい、やはり抗原抗体複合体は形成されるでしょう。IgG4抗体の強化された結合力によって血液中を接種後に循環するスパイクタンパク質に速やかに、かつ強固にIgG4抗体が結合していくものと考えられます。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
こうなると、抗原抗体複合体ができた時に、それが血液中から除去されるのかどうかが問題になります。スパイクタンパク質に抗体が結合したような比較的サイズの小さな抗原抗体複合体を除去する仕組みですが、ここで意外な役者が登場します。それは赤血球です。赤血球が重要な役目を果たします。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
赤血球と言えば各組織に酸素を運搬し不要になった二酸化炭素を肺まで運んで二酸化炭素を排出し再度酸素を運搬するという機能が重要ですが、赤血球は血液中に生じた比較的サイズが小さな抗原抗体複合体を除く上では重要な役割を果たしています。体内存在する赤血球の数ですが、20兆個ともいわれています
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
赤血球の細胞膜上には補体レセプター1(CR1)が存在しています。IgG1やIgG3抗体による抗原抗体複合体ができるとIgG1抗体やIgG3抗体は補体を呼び寄せて活性化します。そうなると抗原抗体複合体に多数のC3b分子が結合。C3b分子が結合した抗原抗体複合体は赤血球の表面の補体レセプターであるCR1に結合 pic.twitter.com/JbPFo5ZrvC
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
赤血球は抗原抗体複合体を脾臓や肝臓に運搬し、そこで貪食細胞に抗原抗体複合体を食わせて赤血球表面から抗原抗体複合体を除去。赤血球は大量に存在しているので、抗原抗体複合が血液中で形成されても速やかに除去することが可能です。問題になるのは抗体が補体を活性化できないIgG4化された場合です。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
IgG4はIgG1よりも親和性が高く、抗原に強力に結合するためほとんどの抗原抗体複合体はIgG4によって構成されることになります。この複合体は補体を活性化することができないため、図に示した反応が進まなくなります。その結果、抗原抗体複合体が血液中からなかなか除去されないということになります。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
この様な抗原抗体複合体は血液中から速やかに除去されないとサイズが大きくなっていき、毛細血管を目詰まりさせ、毛細血管の多い臓器にダメージを与えていくでしょう。一方、ウイルスや細胞の断片のような粒子状の抗原と抗体による抗原抗体複合体の一部は組織の貪食系の細胞処理されることもあります。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
このような抗原抗体複合体においても補体に覆われて赤血球に結合して脾臓に運ばれて破砕され処理される経路も重要です。IgG4はIgG1やIgG3よりも貪食系の細胞に認識される能力は低く、ウイルスに抗体が結合したようなものも除去されにくいと言えるでしょう。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
このような補体に覆われて処理される経路においても抗体がIgG4化されると、その高い結合力のためにウイルスなどの抗原がIgG4抗体によって覆われるため、補体を活性化できず、やはり血中から除去されにくくなるでしょう。
ここで再度、前回紹介した論文の補体に関するデータを紹介します。 pic.twitter.com/efI2DGV6pB— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
赤血球を介した抗原抗体除去の仕組みが動くために重要なのはこの図の右の抗体依存的補体沈着(ADCD)という現象です。抗原抗体複合体に結合する補体の量が目に見えて減少していますので、赤血球を介した抗原抗体複合体除去の仕組みが動きにくくなっていることをこのデータは示しています。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
我が国では80%以上の人たちが新型コロナのmRNA型生物製剤を接種してしまっています。今になって接種しなければ良かったと考えている人も多いと思いますが、重要なことは今後追加接種を行わないということです。というのはIgG4抗体の量は時間経過とともに減少していくからです。このことが重要です。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
生体内には他の抗原に対するIgG4抗体が存在しているため、スパイクタンパク質に対するIgG4抗体が減少していけば、他のIgG4抗体と同じような量になっていきます。そうすると、他の抗原に対する抗体と右半分、左半分が入れ替わった二価抗体の割合が増えていき、抗原抗体複合体はできにくくなるでしょう。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
接種してしまった方が追加接種するとIgG4のレベルは再度高くなります。これまでに何回接種していようと、追加接種を避ければIgG4抗体の弊害を減らすことができるでしょう。この観点からも政府が考えているコロナワクチンの定期接種は行うべきではありません。皆さん、追加接種はやめましょう。
— molbio08 (@molbio08) February 20, 2023
いろいろコメント・質問をいただき、どうもありがとうございます。まとめて質問に回答します。まずは、IgG4がどのくらいの期間で減少していくのかということですが、私の周辺の研究者で二回接種後経時的に抗体価の変化を自分で採血して解析している方がいます。回答方々、そのデータを紹介します。 https://t.co/iHDcbIzB6h
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
一人はモデルナ二回接種でもう一人はファイザー二回接種です。接種は2021年の夏でしたので、1年半以上経過したことになります。抗体の測定系は内部標準を使用して定量的な解析ができるようにしたものです。測定レンジは下限が0.01AU(AUというのは便宜上設定した単位です)で最大は2000AUです。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
このように、ダイナミックレンジはかなり広くなっています。二回接種後の最大値は400AUとか200AUです。モデルの方がmRNAの量が多いためか初期値も高く、減衰も遅いようです。と言っても現在はそのレベルはピークの100分の1程度です。ファイザーはさらに低下しておりピークの数百分の1程度まで減衰。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
ただし、ここで注目すべきは、二人とも非接種非感染の数値よりも、今なお明らかに高く、自然感染したかどうかの基準値を上回っていることです。ピークは極めて高いのですが、追加接種を行わなければ、1年から1年半後には100分の1から数百分の1のレベルまで抗体は減衰するということがわかります。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
経時的に細かく解析した以外の人でも傾向は同じです。この系ではIgG全部を測定しており、IgG4はIgG全体の数%ですので、1年以上経過すれば、他のIgG4のレベル以下になると思います。追加接種をしないように言っている理由もここにあります。これが半年ごとに追加接種を繰り返していくとどうなるのか。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
半年ごとに追加接種を繰り返していくと減衰しては増加するというサイクルを繰り返すことになり、IgG4抗体のレベルが高く維持され、その分リスクはかなり高くなるでしょう。IgG4の量が減衰していくとしても、その間に生じた抗原抗体複合体はどのように除去されるかという質問もありました。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
IgG4では赤血球に運搬されて除去される経路は機能しなくても弱いながらマクロファージに貪食される経路は機能し、それで除去されていくと思います。またその間、毛細血管に詰まったりすることもあるでしょうが、血管が詰まるとその周辺にバイパスの血管ができることもあり一定の余裕はあるでしょう。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
何度も書いていることですが、既にmRNA型生物製剤で誘導される抗体の中和活性は誤差範囲です。無駄な抗体を繰り返し誘導する意味はありません。三回とか四回接種したときの抗体量の減衰については、毎月採血できる環境にある人が二回接種でやめてしまったためデータがありませんので結論は保留です。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
そのため、なんとも言えませんが、このmRNA型ワクチンで誘導される抗体の量はウイルス感染と比べて桁違いに多いため、追加接種後でもウイルスに頻繁に接触していなければ減衰していくものと思います。抗体量の経時的観察のデータを見て抱いたのは、このmRNA型生物製剤の追加接種に対する疑問です。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
このmRNA型生物製剤は武漢型スパイクタンパク質に対する抗体を誘導し免疫記憶を得るためであれば二回接種で十分だということです。追加接種の意義はほとんど感じません。それに加えて発熱だけであればまだいいのですが、追加接種のリスクはかなり高く意味を感じません。二回接種で細胞性免疫も確立。
— molbio08 (@molbio08) February 24, 2023
細胞性免疫が確立した後で追加接種するとスパイクタンパク質産生細胞がキラーT細胞の攻撃がおきますが、それに加えて抗原が膜に局在するため、その細胞はNK細胞、補体に攻撃されます。まさにトリプル攻撃です。加えて抗体がIgG4に変化しそれが増加していく。
— molbio08 (@molbio08) February 25, 2023
どんどん追加接種を行っていくということを勧めるのは免疫記憶という概念の存在を知らない医学の素人が考えることだと思います。これが、政府の専門家委員会は総入れ替えが必要だと思う理由です。体細胞の多くは一定の期間で入れ替わります。誘導された抗体も時間の経過とともに減少していきます。
— molbio08 (@molbio08) February 25, 2023
ヒトは雑種であり純系の実験動物ではありません。したがってmRNA生物製剤に対する反応も多様です。影響がない人も多いでしょう。重要なことは無限接種ループから脱出することです。人体の再生能力は高くさまざまな組織にも一定の余裕があります。ともかく、ここで立ち止まり追加接種をやめましょう。
— molbio08 (@molbio08) February 25, 2023
誤解なきよう書いておきますが、コロナのような変異が多いウイルスに対しては非接種が最良の選択です。この点ではボッシュ博士と意見は一致しています。接種をただちに中止して被害の正確な把握と被害者の救済を政府は責任をもって行うべきです。追加接種を再開するというのはあり得ないと思います。
— molbio08 (@molbio08) February 25, 2023
◆Class switch toward noninflammatory, spike-specific IgG4 antibodies after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination【Science Immunology 2022年12月22日】
Anti-spike IgG4 rises from obscurity
The four human IgG subclasses have distinct effector properties due to differences in binding Fc receptors and activating complement. The serum concentration of human IgG4 is normally lower than either IgG1, IgG2, or IgG3. Irrgang et al. did a longitudinal analysis of the level of spike-specific antibodies from each IgG subclass in recipients of the SARS-CoV-2 BNT162b2 mRNA vaccine. Anti-spike IgG4 as a fraction of total anti-spike IgG rose by 6 months after the second vaccination and increased further after a third vaccine dose. Serum antibody effector activity assessed by antibody-dependent phagocytosis or complement deposition was less after the third dose than after the second dose. Further studies are needed to determine how emergence of an IgG4 anti-spike response influences vaccine-induced protection from SARS-CoV-2 infection. —IRW
Abstract
RNA vaccines are efficient preventive measures to combat the severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) pandemic. High levels of neutralizing SARS-CoV-2 antibodies are an important component of vaccine-induced immunity. Shortly after the initial two mRNA vaccine doses, the immunoglobulin G (IgG) response mainly consists of the proinflammatory subclasses IgG1 and IgG3. Here, we report that several months after the second vaccination, SARS-CoV-2–specific antibodies were increasingly composed of noninflammatory IgG4, which were further boosted by a third mRNA vaccination and/or SARS-CoV-2 variant breakthrough infections. IgG4 antibodies among all spike-specific IgG antibodies rose, on average, from 0.04% shortly after the second vaccination to 19.27% late after the third vaccination. This induction of IgG4 antibodies was not observed after homologous or heterologous SARS-CoV-2 vaccination with adenoviral vectors. Single-cell sequencing and flow cytometry revealed substantial frequencies of IgG4-switched B cells within the spike-binding memory B cell population [median of 14.4%; interquartile range (IQR) of 6.7 to 18.1%] compared with the overall memory B cell repertoire (median of 1.3%; IQR of 0.9 to 2.2%) after three immunizations. This class switch was associated with a reduced capacity of the spike-specific antibodies to mediate antibody-dependent cellular phagocytosis and complement deposition. Because Fc-mediated effector functions are critical for antiviral immunity, these findings may have consequences for the choice and timing of vaccination regimens using mRNA vaccines, including future booster immunizations against SARS-CoV-2.
◆The Role of IgG4 in the Fine Tuning of Tolerance inIgE-Mediated Allergy and Cancer【ResearchGate 2020年7月16日】
Abstract:
Among the four immunoglobulin G (IgG) subclasses, IgG4 is the least represented in serumof a healthy human and it is considered an “odd” antibody. The IgG4 antibody has unique structuralfeatures that affect its biological function. These include the ability to undergo antigen-bindingfragment (Fab)-arm exchange, to create fragment crystallizable (Fc) – Fc binding with other IgG4 andother IgG subclass antibodies, have a unique affinity profile for Fc gamma receptors (FcγRs) and nobinding to complement component C1q. Altogether, these characteristics support anti-inflammatoryroles of IgG4 leading to immune tolerance. Under conditions of chronic antigenic stimulation andTh2-type inflammation, both tissue and serum IgG4 levels are increased. This review seeks to highlighthow in allergen immunotherapy IgG4 can confer a protective role as a “blocking” antibody andsafeguard from subsequent allergen exposure, while IgG4 can confer immunomodulatory functionsto support malignancy. While Th2 conditions drive polarization of macrophages to the M2a subtype,chronic antigen stimulation drives B cell class switching to IgG4 to further support phenotypicalmacrophage changes towards an M2b-like state. M2b-like macrophages can secrete chemokine (C-Cmotif) ligand 1 (CCL1) and interleukin-10 (IL-10) to support regulatory cell recruitment and to furthershape a tolerogenic microenvironment. Thereby, IgG4 have a Janus-faced role, favorable in allergybut detrimental in cancer.