なんか厚労省かどっかがアホなプレゼンをしてたらしく、川上先生が凄くお怒りで反論のツイートを連投されてたので、ここでも採り上げておきます。
インフルエンザとコロナの致死率に関する考察:
6月17日静岡県健康福祉課の資料↓https://t.co/0rdmrtYZot
pdf中に、インフルエンザ致死率0.09%、オミクロン株致死率0.08%の記述があります。以下のスレッドでインフルの致死率が過大評価である可能性を指摘します。@BB45_Colorado pic.twitter.com/05hbwl2yI5— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
このインフルエンザ致死率0.09%(死亡27,679人/感染者31,665,539人)の数字は、第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料(3月2日)↓https://t.co/Oh95toY50a
資料3-10、奈良県立医科大学医学部 野田龍也准教授が作成した資料によるものです。 pic.twitter.com/CE16SATFxE
— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
数字は「レセプト情報・特定健診等情報データベース」から取得し、2017年9月~2020年8月の3年間にインフルエンザで医療機関を受診した述べ患者数と受診から28日以内の死亡者とあります。
この数字は確かでしょうか?
まず直感的にインフルの感染者数が一の位までわかるわけがない、ことに気付きます。— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
2010年、大阪大学感染制御部の資料↓https://t.co/5TwoFdshL1
"およそ2000万人の国民が感染"するが(日本の医療体制は優れているので)"インフルエンザ感染者の致死率は0.001%未満で"ある、という記述があります。厚労省の資料0.09%よりかなり低い数値ですね。どうしてでしょう? pic.twitter.com/zhkAKPbDZm— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
インフルエンザによる死亡数は以下の通り↓https://t.co/RxW9e8HEzn
2020年:956人(コロナ対策のおかげで減少)
2019:3575
2018:3325
2017:2569
前出の大阪大学の資料の2010年は死亡数161人。特に少なかったようで、それから増加傾向にあります。それでも、4000人/年以下、3年で計27679人にはほど遠い。 pic.twitter.com/nO3iHJNyFH— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
この2010年以降の死亡数の増加の理由はわかりません。
インフルエンザウイルスの性質が変わったのか?インフルエンザの死亡数比較(主要国)↓https://t.co/z8vbypKl89
米国に同調して増加しているのが見て取れます。
コロナと同じく、米国で流行すると日本で流行する、
と考えることは可能ですね。 pic.twitter.com/310DPGyb4C— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
「超過死亡」というのは端的に言うと、いつもより多く人が死亡したという指標で、インフルエンザ死と認定されなかった死亡も含む可能性がある。
過去の日本の超過死亡数のグラフはこちら↓https://t.co/e8v4cliJ7P
1998/99が突出している。これはインフルが原因ではないでしょう。2018/2019は3276人。 pic.twitter.com/wlEmGmbG75— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
国立感染症研の2018/2019シーズンのインフルエンザについての報告書↓https://t.co/ZdQ0uSuSX4
ここに
”21大都市合計では、例年よりやや高いレベルの死亡数が観察されたが、超過死亡は観察されなかった(p19)”
とあります。なので2019のインフル死亡数3575人は超過死亡を考えてもそれほど変わらない。— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
したがってインフルエンザ致死率0.09%(死亡27,679人/感染者31,665,539人)の死亡27,679人は、あくまで”インフルエンザ受診者の受診から28日以内の死亡”であり、実際の死亡数より過大であると考えられる。野田氏自身も"インフルエンザ関連の死亡のみとは限らない点に留意が必要"と注釈している(p15)。
— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
仮に2018~2020のインフル死亡報告数
2020:956
2019:3575
2018:3325
で計算すると、7,856/31,665,539=0.024%
2020年にはコロナ禍が始まっているので除外して、2019年の死亡数3575人を分子にして、分母(感染者数)を~1000万人として計算すると致死率~0.036%、感染者~2000万人とすると~0.018%となります。— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
ですので、インフルエンザの致死率を0.1%としたり0.09%とするのは、高すぎる値です。
(左)東京新聞2020年2月7日https://t.co/8IReMGXZVm
(右) 静岡県の新型コロナウイルス感染症者発生・入院等の状況(7月11日)https://t.co/ycU3uCCPuN
静岡県、コロナのデータに関しては独自によくやっていますが。 pic.twitter.com/ajMH0pPN4S— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
(左)NHKのこの数値は妥当なものと思います(2022年3月4日)。https://t.co/0nOMQEkgwr
(右)東京新聞の表の記載は正確と思います。ただし、インフル致死率0.09%の値は、今まで説明してきたように死亡数を課題に評価したものです。 pic.twitter.com/OtCZrj8LJ2— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
まん防が解除され、3月16日に岸田首相が「日常の生活を取り戻す」と述べて以降、インフルの致死率0.09~0.1%が強調され、オミクロンと大差ない、という言説が増えてきたと思います。
アドバイザリーボードの資料(3月2日)資料3-10↓
が根拠とされるのでスレッドで考察しました。https://t.co/Oh95toY50a— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
野田准教授が間違っているわけではありません。彼はアドバイザリーボードで議論するために数字の根拠を示し資料を作成した。
その資料を元に「オミクロンはインフルと同程度」と解釈するのが間違いであり、それを元に施策するのが間違いです。BA.5の病原性が未知であることも忘れてはなりません。(終)
— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) July 16, 2022
7月18日 追記:ラモスさんとコロラド先生による補足
川上先生のこのスレは良スレです。 https://t.co/CY7t3nbPbB
— ramos2 (@ramos262740691) July 17, 2022
ただ、個人的に付け加えたいことが1つあります。
それはそもそも季節性インフルエンザのCFRを算出しようにも、無症状感染する季節性インフルエンザに対して、(少なくともコロナ以前は)無症状感染者のインフルエンザ検査はやられてこなかった。というのがあります。コロナ以後、PCR検査が普及し、
— ramos2 (@ramos262740691) July 17, 2022
インフルエンザの致死率はもっと低く、感染者母集団はもっと大きそうだねというのが分かってきており、結局、コロナがインフル以上であるという事実は変わることがありません。https://t.co/UqyF9phA5l
— ramos2 (@ramos262740691) July 17, 2022
季節性インフルのIFR算出根拠となるインフルエンザ超過死亡は出ていて、恐らくただしいのですが、分母となる感染者数(真の感染者数)は、ほぼデータが無いという状況で謎なんですよね。
恐らくIFRは100ppm未満だろうとは言えます。
年間3千人前後の超過死亡なので、20ppm以上であることは確かです。
— Hiroshi Makita Ph.D. 誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか?扶桑社8/18発売中 (@BB45_Colorado) July 17, 2022
一方で、BA.1/2は、区間CFRで1.8‰ですが、IHMEのランセット論文の倍数を使うとIFR=1.4‰となります。
季節性インフルのだいたい100倍ですね。
僕は、10倍と推定してきたので凄い数字が出てきたと考えています。
— Hiroshi Makita Ph.D. 誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか?扶桑社8/18発売中 (@BB45_Colorado) July 17, 2022
まぁ、季節性インフルで感染者数を6000万人として、3000人死亡として、IFR=50ppmとするのがだいたいの相場のように思います。
この場合、IFR比較でBA.1/2は、季節性インフルエンザの30倍の感染致死率となります。
統計を見てきて、こんなものかと思いますね。
— Hiroshi Makita Ph.D. 誰が日本のコロナ禍を悪化させたのか?扶桑社8/18発売中 (@BB45_Colorado) July 17, 2022