ことSARS-CoV-2・COVID-19においては(頭がおかしいか政府与党の覚えめでたい一部の人がメディアに出ることはあっても)全くといっていいほど存在感を見せてなかった京都大学が、珍しく?大学らしい良い仕事をした。
オミクロンXBB株の進化経路とウイルス学的特性の解明―遺伝子組換えによる更なる免疫逃避能力の獲得― https://t.co/NyMOwViZ0k
— Angama (@Angama_Market) May 23, 2023
◆オミクロンXBB株の進化経路とウイルス学的特性の解明―遺伝子組換えによる更なる免疫逃避能力の獲得―【京都大学 2023年5月22日】
橋口隆生 医生物学研究所教授と高山和雄 iPS細胞研究所講師は、佐藤佳 東京大学教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan(G2P-Japan)」とともに、2022年の9月頃からインドを中心に流行を拡大したオミクロン株(B.1.1.529, BA系統)XBB株の進化の軌跡とウイルス学的特性を明らかにしました。進化系統解析により、オミクロンXBB株は、2種類のオミクロン株(オミクロンBJ.1株とBM.1.1.1株[BA.2.75株の子孫株])がスパイクタンパク質の受容体結合部位(RBD)において遺伝子組換えを起こしたことで生じた変異株であること、そしてオミクロンXBB株は2022年の夏頃に出現したことを示しました。
さらに本研究では、オミクロンXBB株についての詳細なウイルス学的実験を行いました。その結果、オミクロンXBB株は、祖先株であるBA.2.75株、および、BA.2.75株の祖先株であるBA.2株よりも高い液性免疫に対する逃避能、感染受容体であるACE2結合能、そして感染性を遺伝子組換えにより獲得したことが明らかとなりました。一方で、オミクロンXBB株の実験動物モデルにおける病原性はオミクロンBA.2.75株に比べ、やや弱いことが明らかとなりました。
本研究成果は、2023年5月16日に、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
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詳しい研究内容について
オミクロンXBB株の進化経路とウイルス学的特性の解明 ―遺伝子組換えによる更なる免疫逃避能力の獲得―[PDF]
書誌情報
◆Virological characteristics of the SARS-CoV-2 XBB variant derived from recombination of two Omicron subvariants【nature communications 2023年5月16日】