ramonbook[@ramonbookprj]さんの過去ツイートをサルベージ――2021年1月

ramonbook[@ramonbookprj]さんの過去ツイをサルベージ。
理由というか事情はこちら→https://kyotofan.info/politics_society/20120925-30/
Twiiter社の新API仕様変更
・・・平たく言うなら
イーロン・マスクの傍若無人な我儘

・・・つーかさぁ、ナニコレ

ふざけんなよ!イーロン・マスク (-_-💢)

 

2021年1月11日

今年も文献センターのカレンダー。参加してる女性アナキストが個性豊かなのが『婦人戦線』の一番の魅力と思う。現在の日本では男性的なイメージだから、アナキズムがこれほど幅広い女性を引きつけていたことを意外に感じるけど、スペイン語圏で女性が重要な担い手だったことを踏まえれば当然なのか。 pic.twitter.com/IQmAP0QhHk
posted at 16:53:27

女性アナキストというと管野スガ、伊藤野枝、金子文子と男性パートナーが有名な人ばかりで、婦人戦線の面々の名前が出ることがないのは、アナキズム史も含めた歴史が家父長制的な証拠。高群逸枝や望月百合子ですら知られている方で、松本正枝や八木秋子がほとんど言及されないのはやっぱりおかしい。
posted at 17:26:54

アナキズム歴史家マリンはアナキズム史研究が男性に偏っていることの弊害として女性アナキストの扱いを挙げていた。家父長制の価値観に縛られて、男性パートナーの存在を過大評価し、男女関係をロマンチックに考えすぎ、独身で子供のいない女性の晩年を寂しい老後として描く傾向があると指摘してる。
posted at 18:00:40

婦人戦線の女性アナキストの情報が入手しやすければ、日本にいた時からアナキズムに興味を持ったのにと残念に思う。これだけ個性豊かな顔ぶれなら共感できる人が見つかってアナキズムを身近に感じられるはず。今思うと大杉栄&伊藤野枝カップルが苦手というのが、アナキズムに惹かれなかった理由かも。
posted at 18:18:30

平塚らいてうと『青踏』の知名度を考えると『婦人戦線』の忘れ去られ方がますます納得いかない。らいてう自身が「婦人戦線は第二の青踏である。個人的自覚から社会的自覚へ」と青踏には社会的自覚が足りなかったと振り返ってその重要性を公にしているのに『婦人戦線』がほとんど言及されないのはなぜ?
posted at 18:31:27

@ohtsubakiyuko ありがとうございます!もちろんご存知と思いますが、カタルーニャのFarcellは色合いや肌触りが好きで愛用してます。
posted at 18:37:13

 

2021年1月12日

結婚制度に反対の理由が一夫一妻制って、すごいアナキズムの理解だな。。私の知ってる限り、バクーニンの流れを汲むアナキストが結婚制度に反対するのは私有制度の否定がベース。宗教婚であれ法律婚であれ、結婚は男性による生殖機能を核にした女性の身体の私有化を正当化する仕組みなので反対する。 twitter.com/Ice_cream_urim…
posted at 17:47:47

@cnt_zas ありがとうございます。そういう事情もあるみたいですね。
posted at 17:49:52

『婦人戦線』の評価が進まなかった理由の一つに高群逸枝の態度というのがあるよう。ただ、高群の個人的見解によって松本正枝や八木秋子、望月百合子のテキストの価値が変わるとは思えない。それに複数の書き手の寄稿から成る雑誌は集団による共同作業なので、個人と切り離して評価する方が適切と思う。 twitter.com/cnt_zas/status…
posted at 18:02:31

『婦人戦線』刊行時「アナルコフェミニズム」は存在せず、女性解放はアナキズムのテーマの一つに過ぎなかったから、高群が女性の問題に取り組もうとした時にアナキズムから距離を置いたのは理解できる。70年代に家事や再生産労働の問題を扱うためにフェデリチがマルクス研究から抜けたのと同じだろう。
posted at 18:20:45

『婦人戦線』はアナキズムに着想を得ながら、ブルジョワの「フェミニズム/婦人思想」を乗り越える「新フェミニズム/新婦人思想」を生み出そうという、極めて野心的な意図で創刊された。まだアナルコフェミニズムが存在しない時に、日本にアナルコフェミニズムを作る動きがあったことに驚くばかり。
posted at 18:33:44

『婦人戦線』は男性の「性欲の自由」に対して女性の「生殖の自由」を掲げるなどアナルコフェミに繋がる議論をしているけど、高群を中心に母性を自然なものとして捉えている点が母性本能を社会的フィクションとする今のアナルコフェミと異なる。主流のアナルコフェミに一番近い論客は松本正枝だろうな。
posted at 18:54:25

あらゆる搾取に反対するアナキストは、出産は女性の身体に対する搾取と捉えていたので、避妊に積極的だった。ここから、アナルコフェミニズムにとって「私の身体は私のもの」に象徴される、女性が産む、産まないを主体的に決定する「生殖の自由」をどう実現するかが女性解放の重要なポイントになった。
posted at 19:10:57

私が本格的に『婦人戦線』に興味を持ったのは文献センターで復刻版を見せてもらったのがきっかけ。創刊号の海外情報の欄にアルゼンチンの労働組合FORAの簡潔で正確な説明が掲載されているのを見つけて、現在の日本でもスペイン語圏の女性解放運動が関心を集めるのには歴史的連続性があるのかと驚いた。
posted at 19:23:00

 

2021年1月15日

スペインの活字アナキズム史はひとまず完結ですが、100年に及ぶ歴史を4回で語るのは到底無理。取り上げられなかった情報が山のようにあるので、別の形で継続して紹介していきます。出版文化が豊かな日本では活字アナキズムも盛んだったようだし、活字を軸にしたアナキズムの見方が伝えられれば良いな。 twitter.com/cira_japana/st…
posted at 18:14:34

通信の連載はもう少し普通のアナキズム史にする予定で、第一回の原稿も書き終わってた。でも、文献センターの書庫で反フランコ運動の最前線だったルエド・イベリコの出版物を手にした時、焚書から密輸までスペインのアナキストと書物を巡る物語が浮かんで、その面白さに気がついて全部書き直す羽目に。 pic.twitter.com/B0HaYMXOTL
posted at 18:27:59

スペインの活字アナキズムは誕生から偶然の産物なのが面白い。アナキズムと出版に密接なつながりがあったわけでも、欧州各国のバクーニン派の中心が印刷工だったわけでもない。ただスペインを訪れたファネリが最初にコンタクトを取ったのが、アンセルモ・ロレンソを筆頭にした印刷工だっただけのこと。 twitter.com/punk_cat_/stat…
posted at 18:38:00

スペインの第一インターの印刷工はバルセロナのアカデミア印刷所に集結して活字アナキズムの土台を築くものの、アナキストへの弾圧が始まると国を追われて海を渡った。当時最大の移民受入れ国だったアルゼンチンのブエノスアイレスを新しい拠点として活字アナキズムがスペイン語圏へと拡大することに。
posted at 18:55:28

政府のアナキスト弾圧が凄まじかったおかげで、日本のアナキストはスペイン語圏でも有名。大逆事件はスペイン語で「La gran revuelta/ラ・グラン・レブエルタ」とも呼ばれて、響きもなかなか良い。この本の著者はドゥルティの伝記の著者アベル・パスの盟友ビクトル・ガルシア。二人とも来日してる。 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 19:09:55

スペイン語圏で幸徳と大杉に匹敵する知名度の日本人アナキストといえば山鹿泰治で、カタルーニャ語のWikiも驚くほど充実。ビクトル・ガルシアの友人だったということもあるけど、弾圧の犠牲者でもないのに評価されるのは、活字アナキズムの伝統から印刷工が尊敬を集めるため。 ca.wikipedia.org/wiki/Taiji_Yam…
posted at 19:23:34

歴史の中で日本はアナキズムととても興味深い関わりを持つ。バクーニンはシベリアから日本経由で欧州に戻ったのだけど、そのルートが可能だったのは日本が1854年に開国してたから。もし鎖国のままだったら、1861年に欧州に戻ることができず、第一インターに参加できなかったかも。歴史が変わってた。
posted at 19:50:04

スペインで「レーニン主義やら毛沢東主義やら、マルクス主義者はすぐ個人名をつけてドグマ化させて個人崇拝に陥る。アナキストはそんなことしない」と聞いていたので、日本のアナキズム史は個人により過ぎている気がする。複数の寄稿で成る出版物はプロパガンダで、そこに個人の思想を見出す必要ない。
posted at 20:05:06

スペインのアナキズムで重要視されるのはコンセプト。例えば、この記事で紹介した《コムニスモ・リベルタリオ》は誰でも知ってるけど、イサック・プエンテの名前を知っている人はごくわずか。『婦人戦線』は忘れ去られていたこともあり、コンセプトが前面に出るから面白い。 cira-japana.net/pr/?p=875
posted at 20:11:37

 

2021年1月17日

なるほど。そういう経緯があったのか。日本にアナキズムが入ったのは幸徳秋水から主に米国経由だと思っていたので、最初に文献センターCIRAを知った時、スイスにある欧州のアナキズムの分派が日本にあることに驚いたことを思い出した。石川三四郎も当初は英国のカーペンターに会う目的で欧州に向かう。 twitter.com/cnt_zas/status…
posted at 19:04:11

以前アナキストが組織を作るアナルコシンディカリズムは矛盾じゃないのかと聞かれたことがあって、第一インター知らないのかなとびっくりした。改めて考えてみると、日本で有名なプルードンやバクーニンは集団主義アナキストなのに、知られているコンセプトは個人主義アナキズムというズレがあるな。
posted at 19:11:09

スペインは集団主義アナキズムの揺りかごになったこともあって、個人主義と集団主義は明確に区別される。欧州ではプルードン、バクーニン、クロポトキンと集団主義の系譜が発展して、個人主義が生まれるのは20世紀になってから。一方で英米はゴードン以来個人主義が主流なので、中身が大きく異なる。
posted at 19:20:31

日本のアナキズムで一番興味深いのが20世紀に米国経由でクロポトキンが入ったというところ。やっぱり鎖国の影響が大きい。プルードンやバクーニンの19世紀の議論がすっぽり抜けて、共和主義が思想として入らなかった。アナキズムが共和主義の発展形で「赤い共和主義」と呼ばれる欧州とは大きく違う。
posted at 19:32:36

婦人戦線絡みで日本のアナキズム史を見ているんだけど、欧州では19世紀の第一インターが舞台だったアナキズムとマルクシズムの論争が、20世紀のロシア革命後にアナ・ボル論争で繰り返されるのが興味深い。時期的にCNTのコミンテルン離脱やルドルフ・ロッカーが中心にいたインター再建とリンクしてる。
posted at 19:41:44

山鹿泰治が作った偽造パスポートで大杉栄が参加しようとしたベルリン会議は、ロシア革命に失望し、ファシズムの脅威にさらされたアナキストが巻き返しを図った動きで、最終的には1923年にインター再建を実現する。強制送還されなければ大杉はインドのアチャーリヤとともにアジア勢として参加していた。
posted at 19:54:41

第一次世界大戦、ロシア革命と歴史的大事件の影響で、20世紀は欧州のアナキズムにとって激動の時代となった。まさにこのタイミングで欧州に渡って、第一インターの重鎮エリゼ・ルクリュと関わりを持ったのが石川三四郎。あの時期にポール・ルクリュと一緒にいたらものすごい量の情報に触れていたはず。
posted at 20:03:34

石川三四郎と望月百合子が『ディナミック』で語るフランス発のアナキズムが私が知ってるスペイン発と似ているのにも理由があって、二人が仏に滞在した時期は2カ国のアナキストの交流が最も盛んな時期だった。第一次大戦中は徴兵を逃れて仏から西へ、その後西に独裁政権が成立すると西から仏へと移動。
posted at 20:15:06

文献センターで見せてもらった『ディナミック』は、石川三四郎と望月百合子という二人のアナキストによるファシズムが台頭していく欧州の詳細な記録。石川は百年後の同志に向けて作ったそうで、今の時代に読んでもというか、今の時代だからこそ面白いのかもしれない。『婦人戦線』とともに復刊希望!!
posted at 20:25:44

私はスペインに行ってアナキズムに興味を持って、情報と知識のインプットは全部スペイン語だったから、アナキズムについて考えるといつもスペイン語になっていたのだけど、『ディナミック』と『婦人戦線』を読んだら日本語でも考えられるようになってきた。思考に言語と語彙が重要なことを実体験中。
posted at 20:42:40

コンセプトを扱うときに適当な語彙がないと、思考が空白になって先に進めない。私がアナキズムを考えるときにはスペイン語に逃げることができたけど、逃げる先がなければ思考ができない。語彙がなくて考えることができないことも、適当な語彙が現れさえすれば考えられるわけで、語彙の重要性を実感。
posted at 20:54:17

 

2021年1月23日

『婦人戦線』のテキストを読むと高群、望月、松本、八木と各自が抱くアナキズムのあり方が違うから、それぞれがアナキズムに何を見ていたのかがとても気になっている。産児制限を巡って松本が高群に論争を挑むところで最終号になってしまうのが非常に残念。この論争がどう展開するのかが見たかった。
posted at 16:23:14

『婦人戦線』は産児制限反対の立場で始まり、最後に松本がアナルコフェミ的結論に至って産児制限反対に反旗を翻す。高群の母性の見方は石川の農業と同じで自然の中の搾取の構図を見逃している。自然と共存を謳う西欧のエコロジー思想も、先住民から土を活用する農業も自然の搾取の一形態と批判された。 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 16:50:30

アルゼンチンの中絶を巡る「世界が不公平なのは自然環境と女性の身体を搾取する構造が500年前から世界に存在するからです」という発言に現在のスペイン語圏での女性解放の思想が端的に表れてる。女性解放闘争の出発点はフランス革命ではなく、コロンブスの新大陸発見、つまり植民地政策の開始となる。 twitter.com/brutjapan/stat…
posted at 17:01:40

アルゼンチンの中絶法の起草に参加した法律家のインタビュー「同性婚や性自認は現行の制度の中に人々を取り込むだけで、既存の社会秩序を脅かすことにはならない。一方、女性=生殖という構図から脱却する中絶法は革命的である。この法律で私たちは家父長制の基盤を破壊する」www.publico.es/entrevistas/ar…
posted at 17:15:36

リベラル・フェミニズムは家父長制を脅かさない。米国で民主党が再び表に出てきて思ったけど、カマラやヒラリー、ミシェルが象徴する女性のモデルは、素晴らしい妻=素晴らしい母=素晴らしい職業人というものだから、良妻賢母よりさらにハードルが高い。この方向性で女性が解放されるとは思えないな。
posted at 17:27:23

社会の中で女性に許容されるモデルが多様化すれば選択肢が増えて女性が自由になるという「選択の自由」の理念が基礎にあるのがリベラルのフェミニズム。「選択の自由」は自由とは呼べないから、選択肢という形でモデルを押し付ける社会を支える家父長制を壊せと主張するのがアナキズムのフェミニズム。
posted at 17:41:48

妻になるのも母になるのにも興味はなかった私が憧れたのが、事務員で生計を立てながら好きな本を読んで好きな文章を書いたフェルナンド・ペソアの暮らし。途中で女の私が真似するのは簡単ではないことに気がついたけど。妻にも母にもなりたくない女性を解放してくれるのがアナキズムだと思っている。
posted at 17:59:09

すっかり忘れていたけど「女は30までに結婚しろ」という社会からの無言の圧力に耐えかねて日本を出たんだった。それから数十年が経過して、21世紀になっても若い女性が未だに結婚や出産のプレッシャーに曝されているを見るのがいたたまれない。コロナ禍と少子化で圧力がさらに強くなる気配もあるし。
posted at 18:14:17

カタルーニャのフェミニストの家族中心主義批判。欧州でもコロナ禍で伝統的な家族の形を強化しようという動きが加速化してる。ここ数年の欧州各国の同性婚や同性カップルの養子制度の合法化も同じ方向の動きだった。コロナ禍で国家がなぜ伝統的な家族制度にすがるのかが問題。 directa.cat/familicentrisme/
posted at 18:34:51

家族制度は生殖を目的とする男女を婚姻で結びつけて、その関係を特別視するというもの。この前提が現在の日本でも生きているから結婚すると「子供は?」と聞かれる。女性の私有化の問題から始まったアナキストの家族否定は、関係性に序列を作るべきではないという「Amor Libre 自由な愛へ」と発展。
posted at 18:49:38

母性本能として生殖と女性を一体化させるのが家父長制。そこで生まれ育った女性はその価値観を内面化しているから、スペインのアナキズムでも女性と生殖を切り離すMujeres Libresの登場まで半世紀以上かかった。アナキズムが入って間もない日本で『婦人戦線』が母性の扱いに手こずったのは理解できる。
posted at 19:08:42

『青鞜』に「なぜ世の多くの婦人達は、女は一度結婚すべきだ、結婚が女の唯一の生きる道だということに、すべての女性は良妻賢母でなければならないということに疑問を持たないのだろう。種族保存のために女の全生涯は犠牲にされるべきなのか」と書いた平塚らいてうは日本のアナルコフェミの先駆者。
posted at 19:27:20

日本でアナルコフェミニストというとゴールドマンの訳者伊藤野枝が思い浮かぶと思うけど、男性に頼ることに抵抗がなかった彼女はアナキストであり、フェミニストであったかもしれないけど、アナルコフェミではなかったと思う。男性パートナーが訳したものを自分の名前で出すことを了承するわけない。
posted at 19:34:11

以前から日本の社会でなぜ伊藤野枝は許容されるのか不思議だったのだけど、過激なように見えても彼女は決して家父長制を脅かさなかったのだと気がついた。女性が男に頼らないと生存できない社会はおかしいと指摘した『婦人戦線』が完全に忘れ去られているのは、家父長制に真っ向から挑んだからだろう。
posted at 19:46:09

 

2021年1月31日

『婦人戦線』がきっかけで日本のアナキズムにも興味が湧いてきたので、スペイン語圏のアナキズム研究の手法に倣って日本のアナキズムの歴史を振り返っているのだけど、スペインの受容プロセスの対極に位置してて興味深いことこの上ない。スペインのアナキズムの独自性も見えてくるからなかなか良いな。
posted at 17:36:49

考えてみると、スペインは第一インターのプロパガンダをバクーニンとマルクスが直接指揮した数少ない国(他にあるのか?)だ。それぞれファネリとラファルグを送り込んだ結果、アナキストとマルクス主義者の組織ができて今日に至る。そのためか、二つの陣営がイデオロギーとして明確に区別されてる。
posted at 17:45:46

欧州では第一インターの分裂でアナキストとマルクス主義者の対立構造が生まれるけど、遠く離れた日本はその影響を受けずにアナキズムとマルクス主義がごっちゃになって「社会主義思想」として入ってきた。日本のアナキズムのパイオニア的存在の幸徳秋水が堺利彦と並んで『共産党宣言』の翻訳者となる。
posted at 17:58:21

欧州帰りの石川は違和感を持ったらしい「1920年の末に日本に帰って見ると、日本の社会運動は隆盛を極めていた。(中略)総同盟までがサンヂカリストでなければ生きていけないといふ時期であったから、自称アナキストがレーニンの肖像をかつぎ廻るのも不思議はないはずだ」(『石川三四郎 魂の導師』)
posted at 18:10:20

アナキストがレーニンの肖像って欧州ではありえない。石川三四郎が欧州のアナキズムを紹介する『ディナミック』を創刊したのには、思想的な混乱を整理する意図があったのだと思う。ただ一人では到底無理な作業だから、望月百合子がフランス語とアナキズムを学んで戻るのを待たなければならなかった。
posted at 18:17:44

とは言っても、アナキズムもマルクス主義も社会主義思想という解釈は間違っていない。元アナキスト閣僚のモンセンは1982年に「社会民主主義や国家社会主義、全体主義的な権力掌握が失敗に終わった現在、社会主義の最後の砦はリベルタリオ社会主義であるアナキズム」と語った。 youtu.be/pV5Qbb7Im9c
posted at 18:30:47

そういえば世界で初めてマルクス=エンゲルス全集が出たのはドイツでも英国でもなく日本で、1932年に改造社から出た全36巻だそう。先に入ってきたのもマルクスの著作だし、日本でアナキズムがアナキスト個人の思想として捉えられてるのはマルクスの受容が影響しているのかも。kaosenlared.net/?p=813217
posted at 18:46:36

スペインは集団主義アナキズムがメインなので、個人名よりコンセプトが重要。例えば、プルードンはFederalismo/連邦主義、バクーニンはAmor Libre/自由な愛、クロポトキンはApoyo Mutuo/相互扶助と、重要視されるのは其々が打ち出したコンセプトで、アナキズムの歴史はコンセプトの発展の経緯の記録。
posted at 18:54:55

ざっくり言うならば、集団主義と個人主義の違いはアナキスト以外の一般大衆を信じるかどうか。集団主義アナキストはアナキストだけで組織は作らないけど、個人主義アナキストはアナキストだけで組織を作る。スペインも1927年にバレンシアでFAIが結成されるまでアナキストだけの組織は存在しなかった。 twitter.com/ramonbookprj/s…
posted at 19:04:15

スペイン語でアナキストだけの組織をGrupo de afinidad/アフィニティ・グループと呼ぶ。アフィニティ・グループはプロパガンダを目的として集まった集団で、相互扶助などを行うものではない。労働組合、協同組合、文化センター、図書館など、アナキストが作る相互扶助組織は常に万人に開かれていた。
posted at 19:11:15

日本のアナキズム史でアナキストとされるのはアフィニティ・グループ、あるいは個人主義アナキストの集団に所属した人ばかり。スペインのアナキズムで中心的な役割を担う学校運営や生活協同組合などで活躍した集団主義アナキストがアナキスト枠に入っていないから、女性が排除されて多様性が失われる。
posted at 19:21:26